1991年、筆者は既にUNIXのシステム管理者およびライターとして、ひとかどの経験を積んでいた。このためLinus Torvalds氏がMINIX Usenetニュースグループ(comp.os.minix)に投稿した、「私は今、386(486)ATクローン機向けの(無償の)OSを開発しています(単なる趣味であり、GNUのように大規模でプロフェッショナル向けのものではありません)」という、今に語り継がれるメッセージも目にしていたはずだが、その時は気にも留めていなかった。多くの人々が似たようなことを述べていたが、成果らしい成果はほとんど上がっていなかったのだ。しかし、Linuxは違っていた。 Torvalds氏は、周囲の人々を巻き込んで開発を進める才能を持った、理知的なプログラマーだ。そのこととGNU General Public License version 2(GPLv2)の採用が組み合