『浦島太郎』の続きだよ! 太郎さんは謎の女性の言うことを信じちゃうのかな? 国立国会図書館デジタルコレクション - 御伽草子. 第21冊 (浦嶌太郎) 【原文】 さて、女房申しけるは、 「哀れ、我等を本国へ送らせ給ひてたび候へかし。 これにて捨てられ参らせバ、妾《わらハ》は何処へ何となり候べき。 捨て給ひ候はゞ、海上にての物思ひも、同じ事にてこそ候ハめ」 と、掻き口説きさめ/゛\と泣きければ、浦島太郎も哀れと思ひ、同じ船に乗り、沖の方へ漕ぎ出す。 かの女房の教えに従いて、遥か十日余りの船路を送《をく》り、故郷《ふるさと》へぞ着きにける。 さて、船より上がり、「いか成《なる》所やらん」と思へバ、白金《しろがね》の築地《ついぢ》を築《つ》きて、黄金《こがね》の甍《いらか》を並べ、門《もん》を立て、いかならん天上の住まいも、これにハ如何《いか》で勝るべき。 此の女房の住ミ所、言葉に及ばず、中/\