この記事は「Funds Advent Calendar 2022」21日目の記事です。 ファンズ株式会社 CTO の若松と申します。 今年も例年通り Twitter の運用は三日坊主となり、 note についても筆を断ったまま2022年を終わりを迎えようとしていたところ、アドベントカレンダーの時期が来ていました。 せっかくの機会ではあるので、以前から漠然と思っていた考えを整理してみたいと思い、この記事では財務諸表を読み解く概念的な考え方を使い、技術的負債について読み解いてみることにしました。 ソフトウェア開発上の概念である"技術的負債"ファンズは、貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds」を通じて、個人投資家には着実な資産運用の機会を提供しつつ、企業に対しては借入によるファイナンスの機会を提供しています。そのような事業業態の性質上、コーポレートファイナンス的な考えに触れる機会も一般的
プロダクトや事業を「ピボット」すべきか決める時、データサイエンティストができることはあるでしょうか。前回、 IPA から発表されたレポートをもとに日本のスタートアップ企業が米国に比べて約 30 分の 1 という低成長に陥っている原因としてピボット回数が約 10 倍少なく、それにより創業 3 年目までに Product Market Fit が達成できていないのではと推察しました。 私は機械学習界隈の人なので、低い成長率の原因と推察される「ピボット」を促すためデータサイエンティストができることを探っていきます。ピボットの定義、決断する上での課題、ピボットの種別、そしてデータサイエンティストが貢献できることについて、名著である「リーンスタートアップ」の 7章「計測」と 8 章「方向転換」を中心にまとめます。なお本記事におけるデータサイエンティストとは、データサイエンスの素養がある人材を幅広にさ
InternalManufacturing.md 概要 アプリやサービスをソフトウェアエンジニアが作るときに「ここはSaaSで賄いましょう」「ここは自作しましょう」みたいな判断を迫られがちです。 プロダクトごとに背景が違うので一般論は述べにくいですが、最近の僕の気持ちはこんな感じ、というのをまとめておきます。 // 極論すると、99%くらいのソフトウェアはSaaSを使ったから(勝った|負けた)みたいな短絡的な要素は無くて、それ以外のところで勝敗が決まることが多いです。なので好きにしたら良いという気もする。 ふつうの人間は、内製した方がえらい、というバイアスがある 要はバランス、ではあるが僕は内製箇所を少なくする方を提案することが多い SaaS導入のメリットデメリット 何を今更、ですが一応書いておきます。 メリット SaaSを作ってるのは賢い(?)人たちなので、内製するよりも競争力があるSa
アメリカのスタートアップの世界では、AppleやMicrosoftのような巨大テック企業の創業者は、Teslaのイーロン・マスク、Googleのセルゲイ・ブリン、Appleのスティーブジョブスのような移民出身者、またはMicrosoftのビル・ゲイツ、Metaのマーク・ザッカーバーグのような大学のドロップアウト(中途退学者)のような社会的には「Underdog - アンダードック」出身者が多いと言われます。 以前、アメリカを代表するVCの方に「成功する起業家をどう見分けるのか?」という話を聞いた際に、「起業家に"Chip on shoulder”があるかどうか。その起業家のこれまでの人生で、その原動力となる大きな挫折やそれをどう乗り越えたか?を原体験を聞く。」という話を聞いたことがあります。"Chip on shoulder"を意訳すると、”挑戦的な態度”や”憤りを感じイライラしている状態
Q4決算も一段落しましたので、様々な指標からSaaS銘柄のバリュエーションをまとめてみたいと思います。 前回Q3のデータは以下で紹介しています。 🌸 対象銘柄対象銘柄は以下の通りです。 Adobe Inc. salesforce.com, inc. PayPal Holdings, Inc. Shopify Inc. Zoom Video Communications, Inc. ServiceNow, Inc. Intuit Inc. Square, Inc. Autodesk, Inc. Workday, Inc. Atlassian Corporation Plc Veeva Systems Inc. DocuSign, Inc. Twilio Inc. CrowdStrike Holdings, Inc. ANSYS, Inc. Okta, Inc. Datadog, Inc.
今回は、日本の上場BtoB SaaS企業のマルチプル評価について、主に売上高マルチプル(EV/Revenue)に焦点を当てて考察したいと思います。 最初に本記事のサマリーを以下に記載しておきます。 1. EV/Revenueに最も影響を与えている要素は予想売上高成長率 2. EV/Revenue はFCFマージンの大小に依存するため、異なるマージンの企業に対して同じEV/Revenueを適用して価値評価することは、本来的には正しい評価ではない 3. 中長期的なマージンが業界平均水準より劣る場合、そのBtoB SaaS企業のEV/Revenueはディスカウントされるべき。従って、まだ成長ステージのBtoB SaaS企業においても、中長期的なマージン水準を意識しながら足元の成長戦略を考える必要がある 4. コロナショック以前の日本の上場BtoB SaaS銘柄は、売上高の成長性でマルチプルがつい
これだけみると LibC がよく見えますね。 オープンソースのライブラリ比較や、エンタープライズな SaaS が競合に対する優位を見せたいときに星取表が使われることが多いです。 中立な立場でライブラリを選定する過程として出てくることがあります。 自分はこれに全く意味がなく、むしろ競争的な立場では出した側が負けるものと認識しています。 星取表を作る側の意図 よく見かけるパターンがこれです。 開発自体は長いため機能が豊富だが性能に劣る先発が、後発を貶めている 恣意的な項目選定で、そもそも負けている そもそも比較対象としての土俵が違う(全部入りのフレームワークと単機能なライブラリの比較) 特に 1 と 2 の組み合わせが多く、この裏では非機能要件で圧倒的に負けていることが多いです。例えば A は機能は豊富だけどビルドに 30秒で、Bは機能は足りないけど3秒だといった場合、多くの場合ではまず B
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