証拠開示した取り調べの録画映像をNHKに提供したのは証拠品の目的外使用にあたるとして、提供した男性弁護士を大阪地検が大阪弁護士会に懲戒請求したことが分かった。映像はNHKが実際に放送したが、弁護士は「一般の人に取り調べの実態を見てもらうことは大切。可視化(録音・録画)を議論する上で貴重な情報であり、懲戒請求は不当な圧力だ」と反発している。 弁護士らによると、取り調べの対象となったのは、2010年に大阪市内の住宅で兄がけんかの末に弟の首を絞めて死なせたとされた傷害致死事件。兄の取り調べの様子を録画した映像が大阪地裁での裁判員裁判で再生され、翌11年7月に「弟から攻撃された兄が意図せずに首を絞める形になっても不自然ではない」として無罪が言い渡された。 兄の弁護人を務めた弁護士は無罪判決確定後、映像を収めたDVDをNHKに提供。NHKは先月5日、兄や取り調べを担当した検察官の顔をぼかして特定