北方領土問題が大きく進展するかのように各メディアで報じられた日露首脳会談ですが、蓋を開けてみればまさに「ゼロ回答」という言葉以外見つからないようなロシア側の反応。なぜ安倍官邸をはじめ、日本サイドはここまでの見誤りを犯したのでしょうか。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんが、日露双方の思惑や二国を取り巻く情勢を鑑みつつ詳細に分析しています。 北方領土が戻るという空騒ぎが終わった 安倍首相とプーチン大統領の湯煙外交ショーが終わり、北方領土については、大方の予想通りゼロ回答という結果になった。国家ぐるみのトップ親睦会だったのだと解釈するほかなさそうである。 自民党の二階幹事長が例のごとくモゴモゴと言った。「国民の皆さんの大半は、がっかりしているということは、われわれ含めて、心に刻んでおく必要があると思います」。これが正直なところだろう。 北方領土が日本に戻ってくるという期待感
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天国から地獄へ——ほんの数日前に「トランプに会った唯一の首脳」ともてはやされた安倍首相の外交戦略が、一瞬にして頓挫した。そのとき、首相官邸で起きていたことは。内実をレポートする。 赤っ恥をかいた安倍首相 「まさに、青天の霹靂だった。トランプは、何てことをしてくれたんだ。ブエノスアイレスで一報を聞いた(安倍)総理の顔は引きつり、言葉も出なかった……」 こう証言するのは、ある外務省関係者だ。 日本時間の11月22日午前7時19分、安倍晋三首相がブエノスアイレスで、ニューヨークの「トランプタワー」訪問、ペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、アルゼンチン公式訪問を総括する記者会見に臨んだ。 安倍首相は、「APECは30年近く前に日本が提唱して始まった」と前置きして、今回の成果を誇らしく述べた。 「決して内向きになってはいけない。それが今年のAPECの最大のテーマだった。TPP(環太平洋パ
北方領土の国後島と択捉島で、ロシア軍が最新鋭のミサイルシステムを配備したと、11月22日にインタファクス通信が伝えた。 PRIMORYE TERRITORY, RUSSIA. APRIL 21, 2016. A Bal coastal missile system launches a Kh-35 anti-ship missile during exercises held by Russia's Eastern Military District units at Klerk range. Yuri Smityuk/TASS (Photo by Yuri Smityuk\TASS via Getty Images)
ロシアとの北方領土交渉をめぐり、歯舞群島と色丹島の返還合意で平和条約を締結し、残る国後、択捉両島は将来の課題として先送りする「二段階論」が政府内で浮上している。 北方領土問題の解決に強い意欲を示す安倍晋三首相は11月にペルーで、12月には地元の山口県長門市にロシアのプーチン大統領を迎えて会談する。四島一括での返還合意にこだわらない柔軟な姿勢で臨み、領土問題の活路を見いだしたい考えだ。 複数の政府関係者によると、国後、択捉両島は当面、両国政府の共同管理とし、協力して開発や経済振興に取り組む案などが検討されている。日本から旅券や査証(ビザ)なしでの訪問も拡大し、交流を促進する。両島の返還については、時機を見て話し合いを行う。 歯舞群島と色丹島の先行返還が実現すれば、日本の排他的経済水域(EEZ)が拡大することになる。政府は領土交渉と併せて漁業権についても議題とする方針だ。 旧島民や保守
2015年11月25日 田中 宇 11月24日、シリア北部のトルコ国境沿いを飛行していたロシア軍の戦闘機が、トルコ軍の戦闘機から空対空ミサイルで攻撃され、墜落した。露軍機は、その地域を占領する反政府組織(アルカイダ傘下のヌスラ戦線と、昔から地元に住んでいたトルクメン人の民兵の合同軍)を攻撃するために飛行していた。地上ではシリア政府軍が進軍しており、露軍機はそれを支援するため上空にいた。露軍機のパイロット2人は、墜落直前にパラシュートで脱出して降下したが、下から反政府組織に銃撃され、少なくとも一人が死亡した(パラシュートで降下する戦闘機の乗務員を下から射撃するのはジュネーブ条約違反の戦争犯罪)。他の一人は、反政府組織の捕虜になっているはずだとトルコ政府が言っている。 (Nato meets as Russia confirms one of two pilots dead after jet
ウクライナのポロシェンコ大統領は、EU=ヨーロッパ連合のバローゾ委員長と会談し、貿易自由化を含む関係強化に向けた連合協定の早期の批准を目指す考えを示しました。 ウクライナのポロシェンコ大統領は12日、首都キエフを訪れたEU=ヨーロッパ連合のバローゾ委員長と会談したあと共同会見で、EUとの貿易自由化を含む連合協定の合意文書を批准するため、16日に議会へ提出することを明らかにしました。そして、「ウクライナの議会とヨーロッパ議会とテレビ電話で結んで同時に批准の手続きを行う」と述べ、EU側とともに早期の批准を目指す考えを示しました。 しかし、この協定を巡っては、ウクライナと強い経済関係を維持してきたロシアが、EUの製品がウクライナを経由してほとんど関税をかけられることなく安い価格で流入することに強い警戒感を示しています。 このため、ウクライナとEU、ロシアの代表が12日にベルギーで協議を行い、協定
ロシアのラブロフ外相は、核セキュリティーサミットが開かれているオランダのハーグでアメリカのケリー国務長官と会談したあと記者会見し、ロシアはG8=主要国首脳会議の形式にこだわりはないと述べて、G8が開かれなくても問題はないという立場を表明しました。 この中でラブロフ外相は、アメリカや日本などG7の首脳がG8の今後の在り方を議論したことについて、「G8は非公式なクラブであり、会員証が発行されるわけでもなく追放するという規定もない」と述べました。 そのうえで国連の安全保障理事会や新興国も参加するG20といった枠組みがあるとして「西側が望まないのであればロシアはG8の形式にこだわりはなく、開かれなくてもかまわない」と述べました。 また、アメリカのケリー国務長官との会談では、ことし2月、ウクライナのヤヌコービッチ政権が崩壊する前、当時の政権側と野党側が合意した内容を実行すべきだと主張し、ラブロフ外相
「ロシアが悪い、プーチンが悪い」は本当か!? クリミア編入騒動で浮き彫りになる西側の傲慢とダブルスタンダード ウクライナについての報道を見ていると、おかしなことばかりだ。ドイツのニュースはクリミア情勢一色で、欧米が対ロシア制裁に踏み切り、さらに日本がその列に加わったということまで逐一報道された。日本の動向をここまで仔細に取り上げるのは、珍しいことだ。 ドイツメディアの論調では、ロシアはウクライナの主権を踏みにじり、侵略し、国際法を破ったので、厳しく制裁しなければいけないという。独シュタインマイヤー外相は、「今になって既存の国境を変更するというのは、信じられない事態であり、これが認められるなら、将来、エンドレスの紛争があちこちで始まることになる」と言った。 この主張、「ロシアが悪い、プーチンが悪い」というのは、アメリカの言い分の通りで、それにEUが追随している状況だ。そして日本も同様に、17
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