ユーザー企業のネットワークに対する意識が今,大きく変わり始めている。帯域などのスペックを求めるのではなく,ネットワークに対し業務に直結した振る舞いを求めているのだ。従来のネットワークを定義していた“レイヤー”といった考え方はもはや崩れ,ユーザーは「アプリケーション指向」に大きく舵を切り始めている。 こうした動きを端的に表すのが図1に示したアンケート結果である(注1)。49%もの企業が,「アプリケーションの動作に合わせて帯域や通信経路を自動変更する通信サービス」を望んでいたのだ。もう「100Mビット/秒」といったスペックを前提とするだけのサービスは意味をなさない。アプリケーションを使うために最適なネットワークのスペックは,アプリケーション側が主導権を握って決めるようになっていくのだ。 ここ数年で,LANでもWANでもIPが共通基盤になった。この結果,企業ユーザーは回線やネットワーク機器ではな