難局を乗り越える力を与えた言葉 アプリ販売開始後、App Storeのトップページにアプリが紹介されたこともあり、出だしは好調だった。周囲の予想が500〜1,000本程度の売上本数だったのに対し、『ウィズダム英和・和英辞典』は単月で約5,000本の売上を記録したのである。 しかし、その流れは長くは続かなかった。iPhoneユーザーは増加する一方で、アプリの売上は急減。ライバルの出現とともに、同社のアプリも過当競争に巻き込まれてしまった。 廣瀬氏は難局をどう乗り切ったのだろうか。それは意外にもアップルがデベロッパー向けに発行していた冊子に掲載されていた言葉がきっかけになったという。その言葉とは、アップルのピーター・ビックフォードが記した「あなたの製品がその分野でもっとも良いものなら、ユーザーはそれだけを使い続けるだろう」。廣瀬氏は、「別の冊子でも彼は繰り返し、製品の素晴らしさが重要だと語って