4年目に突入したコロナ禍。不安定な社会情勢、経済状況による物価高などにより、閉塞感が漂っている。しかしそうしたなかでも、全国各地で30代を中心とした若い世代が、小さな場所で古本や“ひとり出版社”の刊行物を扱うスモールビジネスを次々と立ち上げている。それぞれ無理をしない人間らしいスケールで運営され、楽しそうに見える。東京都世田谷区経堂の商店街にある「ゆうらん古書店」はその一つ。2022年9月24日にオープンした新しい店だ。店主は、30代の今村亮太(いまむら・りょうた)さん。7坪ほどの小規模な店舗だが、創業4ヵ月にして、古本を売りたい客、買いたい客が、緩やかに訪れている。今村さんが夢を実現するきっかけとなったのは、時間をかけて培った商店街の、小さな店での小さなつながり。ゆうらん古書店の店づくりを通じて、若者たちが「これから」も可能な起業の姿と、文化を軸に形成されるしなやかなコミュニティの姿を見