ローマ市の円形闘技場コロッセオ。滞在税は観光産業への打撃になると反発が出ている 【ローマ=南島信也】観光立国イタリアの首都ローマ市が、来年1月1日から、市内のホテルに宿泊する観光客から1泊につき2〜3ユーロ(約220〜330円)の滞在税を徴収する。政府の緊縮策の一環で削減される交付金分を補うための苦肉の策だが、「観光産業が打撃を受ける」と懸念する声が強い。 税額はホテルの格付けによって異なり、四つ星と五つ星が1泊3ユーロ、三つ星以下は2ユーロ。市立美術館への入場や観光バスの利用などに対しても1〜3ユーロ徴収する。 ローマ市の債務は約100億ユーロ(約1兆1千億円)。政府は毎年約5億ユーロの財政支援をしてきたが、歳出削減に取り組む中で、地方への交付金の削減にも着手。市に対し今年5月、滞在税の導入を求めた。 円形闘技場コロッセオなどの古代遺跡、映画「ローマの休日」の舞台となったスペイン