「ゲーム脳」の森昭雄氏が、脳のハードが壊れると言うのに対して、岡田氏はソフトが壊れるという。 つまり、「弱い」ゲーム脳理論といえる。 主張が弱くなっている分、議論は「ゲーム脳の恐怖」よりずっと洗練されているし、素人がみて気付く明らかな飛躍も少ないのではないか、と思う。 素人であるぼくでも、1ページごとに「あれれっ」と思っていた森氏の著作とは大違いだ。 森氏の著作が、専門領域以前の「科学的思考」の部分で論外だったのに対して、岡田氏の著作は専門家による精読が必要なものであると思う。まずは問題提起として、精神医学に携わる方や、その関連領域の方は、この著作を「たたいて」いただきたと思う(たとえば引用されている研究の妥当性や、言及されていないが実は重要な他研究(単に知らない)などもふくめ、ぼくには判断能力なし、である。都合の良い研究のつまみ食いの可能性は、こういう「単純な結論」を導く一般書の