「ITを統べるためのヒント」の続きを書くことになった。今回は、数回分共通のテーマを掲げ、少し纏まった議論を展開したいと考えている。宜しくお付き合い願いたい。そこで今回から10回分のテーマであるが、CIO諸氏が多分ご興味をお持ちであろう日本のシステム開発と生産性を取り上げることにする。筆者は、初期の混沌期から日本の標準的なシステム開発の流儀が確立し成熟する過程を実体験として過ごしてきた。そこで、筆者の手に余る問題かも知れないが、日本のシステム開発の実相をモデル化し解剖を試みてみたい。これまで、日本のシステム開発に関して、現実に即した分析にお目にかかったことがないような気がする。これが単なる筆者の不勉強なのであれば良いのだが、残念ながら、そうではないように思える。そこで、僭越ながら日本のシステム開発のやり方や生産性などに関して私見を述べてみようと考えている。まず議論の手始めとして、システム開発