古民家×ビブリオバトル、おひさしぶりです。ようやく開催となりました。 開催記念第10回はとっておきの舞台。かつて日本有数の炭鉱の町として栄えた北九州・若松にある古民家 「河伯洞」 。北九州市指定文化財の芥川賞作家火野葦平の旧宅です。河童の棲む家という意味のその名の通り、葦平の愛した河童たちに随所で出会うことができます。 玄関をあがるとすぐ目に入る立派な木彫の亀に気づかない人はいないでしょう。木にできたキズを隠すための細工なのだそう。職人の高い技術と遊び心を感じます。そして広い縁側の床は立派な一枚板の桜。縁側には、葦平が日夜語りかけたというお気に入りの河童が私達をおどけた表情で出迎えてくれます。 広々とした和室に目を向ければ、「土と兵隊」「麦と兵隊」「花と兵隊」の兵隊もの三部作や、「花と龍」など代表作にちなんだたくさんの品々が展示されています。2階には葦平が作品を執筆し自ら命を断った書斎。じ