自分の母国語として読むことと、外国語として読むことはやっぱり、印象が違う。日本語が読めるようになって以来、よくそういうことに気がついた。 だけど、この「外国語」という言葉自体は人によって、国によって、考え方によって、意味も違う。例えばヨーロッパやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどのたいていの人では、「外国語」という言葉を聞くと「英語」、「フランス語」、「スペイン語」、「ドイツ語」などのほぼ同じ語族の言語がすぐ頭に浮かぶ。確かに最近多くの西洋人は中国にも注意を集中しているのだから「中国語」も浮かぶだろうと思うけど、それでもその中で実際に中国語を外国語として喋れる人はほとんどいない。そういうふうに見ると、実際に触れた「外国語」というものと、育ってきた「母国語」というものとの壁を克服することは、西洋人にとって単なる「マッピング問題」にすぎないという普通の考え方が、たいして驚くことではない。そう