勝負強さから「怪童」と呼ばれ、29歳でがんのため亡くなったプロ将棋棋士の村山聖(さとし)さんが再び脚光を浴びている。生涯を描いたノンフィクションが昨秋に映画化。村山さんをイメージしたキャラクターが登場する漫画も人気を集める。没後19年。なお多くの人をひきつける魅力は――。 「(村山さんが)元気に暮らし続けて、晴れの舞台で将棋を指している姿を描いてあげたいと思った」 将棋をテーマにした人気漫画「3月のライオン」の作者、羽海野(うみの)チカさんは、ファンブック「3月のライオン おさらい読本中級編」でこう記した。 作品には村山さんをモデルにしたキャラクターの二海堂晴信(はるのぶ)が登場する。高校生でプロ棋士の主人公、桐山零のライバルであり親友だ。ふくよかな体形で慢性的な腎臓病を患っている。病をおして将棋に挑む姿が村山さんと重なる。 2007年に「ヤングアニマル」(白泉社)で連載が始まり、11年に