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  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

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    zu2 2020/05/30
  • ペーパー分子模型 : 有機化学美術館・分館

    4月22 ペーパー分子模型 新型コロナウイルスの問題は、なかなか落ち着く気配が見えてきません。収束までには年単位の時間を要するという識者も多く、新薬やワクチンもまだ時間がかかるでしょうから、長期戦を覚悟しなければならない情勢でしょう。 この状況で、たとえば抗ウイルス材料の開発など、化学者としてできることはいろいろありそうに思えます。SlackやZoomなどオンラインコミュニケーションの環境も整っている折、異分野の人が集まってブレーンストーミングなどやってみると面白いかななどと一人で思っております。 とはいえ筆者のような一般人には、家にこもっているのが、とりあえずできる最大の貢献です。ということで、家にいる時間の過ごし方の一助として、また性懲りもなく分子模型のペーパークラフトを考案してみました。 以前は正三角形のパーツを組み合わせた、穴の空いた形のフラーレンモデルをアップしました。ただこれは

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    zu2 2020/04/23
  • 新型コロナ治療薬〜医薬を「転職」させる : 有機化学美術館・分館

    4月2 新型コロナ治療薬〜医薬を「転職」させる 最近はニュースもコロナ一色で、連日続く悪い知らせばかり見ていると、やはり気が滅入ってきます。その中で希望の光を見つけるとすれば、やはりワクチンや治療薬の開発でしょう。マイナビ薬剤師のサイトでも書きましたが(その1、その2)、両者ともかつてない勢いで研究が進行中です。 とはいえ、ワクチンは安全性試験や量産などに時間がかかり、最速でも来年初頭あたりまではかかってしまうと考えられます。では医薬はどうかといえば、通常の手順を踏んで一から薬を創り出そうとすると、普通の場合で10年、最低でも5年くらいはかかります。この切羽詰まった状況に、これでは話になりません。 ということで、現在盛んに行われている研究は、既存の医薬を新型コロナ用に使えないか調べるというものです。この方法であれば、すでに人体への安全性などはよく調べられていますし、生産方法なども確立されて

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    zu2 2020/04/16
  • ナノチューブを溶かす意外なもの : 有機化学美術館・分館

    8月22 ナノチューブを溶かす意外なもの カテゴリ:有機化学 炭素でできた極細の筒・カーボンナノチューブは、夢の新素材、ナノテクの旗手として各方面の大きな注目を浴びています。化学・材料・物理学・生物など、ここ数年学術誌にナノチューブの文字が載らない日はまず一日もないというほど、各分野で盛んな研究が進められています。 しかしこうした応用研究を阻む大きな要因として、ナノチューブが各種の溶媒に溶けないという点が挙げられます。ナノチューブは互いに引きつけ合ってがっちりと絡み合った束を作る性質があり、これをほぐして溶媒に分散させるのは至難の業なのです。化学の世界において、反応や精製はたいてい溶媒に溶かして行うものですから、何にも溶けないという性質は極めてやっかいなものなのです。 また生物学方面の応用を考えるとき、生命を支える媒質である「水」に溶ける(分散させる)ことはほぼ必須の条件です。しかし炭素で

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    zu2 2015/09/05
    “「エピガロカテキンガレートによる単層カーボンナノチューブの可溶化」などというよりも「伊右衛門にナノチューブが溶けた!」の方がはるかにインパクトがあるのは言うまでもなく、このあたりは実験者のセンス”
  • 希少糖のこと : 有機化学美術館・分館

    3月20 希少糖のこと さて最近、希少糖ソーダなるものが出回っています。筆者もかつての毒物ドリンク探検隊の血が騒ぎ、一買ってみましたが、なかなか悪くありませんでした。 希少糖ソーダ(伊藤園) さてこの希少糖なるものはいったい何か――と調べてみると、要は天然の存在量が少ない糖類のことで、ここではD-プシコースというものが主成分のようです。あまり聞き覚えのない糖ですが、六炭糖のケトースということで、フルクトース(果糖)の異性体に当たるもののようです。 上はプシコースの6員環(ピラノース)型、下は環を開いた形。 このプシコースの何がありがたいのかといえば、砂糖の70%ほどの甘さがありながら、ほぼノンカロリーという点だそうです。そればかりか、小腸からのブドウ糖の吸収を抑えてくれるということですから、糖の取り込みに関わるトランスポーターに結合して、ブロックしてしまうということと思われます。 また、

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    zu2 2014/04/12
  • STAP細胞の「不正」とは何だったのか : 有機化学美術館・分館

    4月11 STAP細胞の「不正」とは何だったのか STAP細胞の騒動が世間を揺るがせています。特に4月9日、小保方晴子氏が久方ぶりに姿を表し、記者会見を行ったことで、騒ぎは最高潮に達した感があります。 ブログではこの件に関し、今まで何も触れてきませんでした。専門外でもありますし、あまりよい話題でもないですし、筆者は他人の不正をあれこれ論評できるような偉い人間でもありません。 ただ、9日の会見を見て、「小保方氏の発言に納得した」「彼女の言うことを信じた」という人が多数派であったのには驚きました。ネットでのアンケートでもそうですし(※)、テレビ番組での調べでも、6〜7割の人が小保方氏を支持するとの結果が出ていました。これはずいぶんとずれが生じているかなと感じたので、思い切ってこの件について書いてみます。 (※)4月12日現在では投票結果が逆転し、「納得できなかった」が多数派となっているようで

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    zu2 2014/04/12
  • 天然にある有機フッ素化合物 : 有機化学美術館・分館

    3月3 天然にある有機フッ素化合物 天然に存在する化合物に、どういう元素が含まれるかというのは、以前からちょっと興味を持っているテーマです。ハロゲン元素を持っている天然物というのは結構レアなのですが、中でも有機フッ素化合物というのは非常に珍しくなります。 中でも一番知られているのは、モノフルオロ酢酸でしょう。酢酸のメチル基水素がひとつだけフッ素に変わったもので、南アフリカなどに産する「ジフブラール」という植物が作っています。以前も述べた通りこれは非常に強い毒物で、葉っぱ一枚の半分程度をべただけで、牛が中毒死するほどだそうです。 フルオロ酢酸と有毒植物ジフブラール このモノフルオロ酢酸から生合成されるとおぼしき化合物も、いくつか見つかっています。たとえばDichapetalum toxicariumという植物は、その種に末端にフッ素をひとつ持つ脂肪酸を含んでいます(論文)。その他、フッ素化

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    zu2 2014/03/20
  • 純粋な試薬がよいとは限らないという話 : 有機化学美術館・分館

    2月24 純粋な試薬がよいとは限らないという話 カテゴリ:有機化学 反応がうまくいかない時は、基質や試薬をきちんと精製し、溶媒を蒸留して再チャレンジ……というのが化学者の常識です。ところが、精製して邪魔な不純物を除くと、うまくいかなくなることも世の中にはあるようです。 *   *   *   *   * 有機化学の歴史をたどってみると、不純物が呼んだ発見や混乱は相当数あるものです。有名なZiegler-Natta触媒は、フラスコに残存した試薬をきっかけとした発見でしたし、野崎-檜山-岸反応(NHK反応)は、試薬メーカーや製造ロットによって収率がばらつくことから、詳しい反応機構が判明したといういきさつがありました。 また2009年には、鉄触媒で進行すると報告されていた反応が、実は試薬に含まれる微量不純物の銅が真の触媒であったというケースもありました(記事)。このあたりのことは、たとえば「化学

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    zu2 2014/02/24
  • フェアリーリングが世界を救う? : 有機化学美術館・分館

    1月27 フェアリーリングが世界を救う? 子供向けのアニメか何かみたいなタイトルですが、ちゃんとした化学のお話です。「フェアリーリング」というのは、下の写真のようにキノコが輪の形になって生えてくる現象を指します。西洋では、妖精が輪になって踊った跡だという伝承があり、この名で呼ばれているのでそうです。 オーストラリアで観察されたフェアリーリング(ウィキペディアより) フェアリーリングを作るキノコは一種類ではなく、今まで50種ほどがこうしたリングを作ることがわかっているそうです。直径は大きなもので600mにもなり、700年も成長している例が知られているといいます。科学的な文献に初めて登場したのは1675年で、古くから知られている現象ですが、詳しい成長のメカニズムなどは完全にわかっていないようです。 このフェアリーリング、まず草が異常に成長し、それが枯れてからキノコが生えてくるケースもあります。

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    zu2 2014/02/02
  • 沖縄生まれの化合物 : 有機化学美術館・分館

    9月8 沖縄生まれの化合物 前回お知らせしました交流会、現在参加申し込みが19名となっております。残りは11席分ですので、来てみたいという方はお早めに。Chem-Station副代表、「アリエナイ理科」シリーズのれらく所長など、多彩なメンバーが参加いただけることになっております。詳細はこちらから。 さて先日、取材と旅行を兼ねて沖縄へ行ってまいりました。筆者は初めての訪問でしたが、晴天に恵まれて非常によい旅となりました。暑いには暑いですが、東京のようなじっとりとした暑苦しさはなく、快適な気候でした。石垣島の日差しはちょっと別物でしたけどね……。 さてその沖縄というところ、仲間由紀恵・新垣結衣・比嘉愛未などなど美女の産地で有名でありますが、実は天然物化学者にとっても「聖地」というべき場所です。サンゴ礁は非常に多彩な生物のすみかとなりますが、特に沖縄は海流の関係などで多くの生物種が生息しているの

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    zu2 2013/09/09
  • F1ドライバーが頭脳ドーピング? : 有機化学美術館・分館

    8月17 F1ドライバーが頭脳ドーピング? ちょっと気になる記事を見つけたので、そちらの件を。 野球・自転車競技などでドーピングが問題となり、一部選手が出場停止や永久追放などの重い処罰を受けています。そして最近になり、F1ドライバーにもドーピング疑惑がささやかれるようになっています。といっても、筋肉増強剤やエリスロポエチンなどではなく、ちょっと意外なことに記憶力増強の薬が使われているという話が流れているのだそうです(記事)。 F1と記憶力にどれだけ関係があるのかと思ってしまいますが、実は大いにあります。1960年代から70年代にかけて活躍したF1ドライバーであるジャッキー・スチュワートは、生まれつき「失読症」という病気で、文字で書いてあることの意味を読み取ることができません。しかし記憶力はずば抜けていて、たとえばニュルブルクリンクの187ヶ所あるコーナーの、ブレーキ・ギアチェンジ位置を今も

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    zu2 2013/08/18
  • ラジオ出演「疑似科学を科学する」 : 有機化学美術館・分館

    6月6 ラジオ出演「疑似科学を科学する」 カテゴリ:疑似科学雑記 ツイッターなどでご覧になった方もおられたと思いますが、昨日の夜、TBSラジオ「Session-22」という番組に出演して参りました(急きょ呼ばれたので、こちらでは告知が間に合いませんでしたが)。テーマは「疑似科学」で、司会は評論家で編集者の荻上チキ氏。ゲストとしてもう一方、法政大学の左巻健男教授が招かれました。水にまつわるあまたの疑似科学を解説した「水はなんにも知らないよ」をはじめとして多数の著書があり、このテーマを語るには最もふさわしい方でしょう。 番組では、疑似科学の中でも「EM菌」と呼ばれるものがメインで話が進みました。「EM」というのはEffective Microorganismの略で、日語では「有用微生物群」と表記されます。その実体は、要するに乳酸菌や光合成細菌といった微生物が、共生している集合体とされます。

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    zu2 2013/06/11
  • 死を呼ぶアミノ酸 : 有機化学美術館・分館

    5月21 死を呼ぶアミノ酸 カテゴリ:有機化学毒 一瞬、どこか別のブログに迷い込んだかと思われた方もおられるかと思います。ひとまずブログ開設満7年を期して、白背景に模様替えをしてみました。まあ要するに、書いている筆者の目が悪くなってきたせいで、黒背景が見づらくなってきたというのが最大の理由です。なお老眼ではなく乱視ですので、そこのところはお間違いなく(必死)。 さて今回はまた毒のお話。中国の雲南省ではここ30年ほど、原因不明の突然死が数多く起きており、何度もこの件が報道されていました(ニュース)。 1978年7月、同省麗江市で林業従事者2名が原因不明のまま突然死したことが報じられて以降、同省北部の海抜1800−2600メートル地帯では2008年までの30年間に400人が「謎の死」を遂げた。現地では、死の数時間前から目まいや吐き気のほか、説明できないような「奇怪な症状」が現れるとの噂が流れ、

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    zu2 2013/05/21
  • 猛毒・リシンの横顔 : 有機化学美術館・分館

    4月18 猛毒・リシンの横顔 あちこちからニュースが飛び込んできて、何かと騒がしい昨今です。アメリカではボストンマラソンでの爆発テロという大きな悲劇の後、「リシン」という毒物が上院議員の元に送られたと報道されています。さらにオバマ大統領のところにもリシンらしき物質が送りつけられたとのことで、9・11後に炭疽菌テロの行われた、2001年を思わせる状況となってきました。 さてこのリシンとは、いったいどんな物質でしょうか。これはタンパク性の猛毒で、トウゴマという植物の種子から得られるものです。単離されたのは1888年といいますから、かなり古くから知られていたタンパク質のひとつです。 トウゴマ(ヒマ)の種子 英語では「ricin」という綴りです。日語で表記すると区別がつきませんが、アミノ酸のリシン(リジンとも)は「lysine」ですので、全くの別物です。 リジン(lysine) さてこのリシンは

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    zu2 2013/04/18
  • 「13年に注目したい水3種」のこと : 有機化学美術館・分館

    1月27 「13年に注目したい水3種」のこと Yahooニュースに、「13年に注目したいミネラル炭酸水、水素水、純銀イオン水」という記事が出ていました。「毎日キレイ」というウェブサイトに出ていた、こちらが元記事のようです。執筆者は、「開運雑誌、ブライダル雑誌の編集者を経て、開運やスピリチュアル、健康、心理学、結婚、民俗学、宗教など、人が豊かにしあわせになるための方法をさまざまな分野に取材・実践する編集&執筆者」である、内山真李氏だそうです。 こちらでは、ミネラル炭酸水・水素水・純銀イオン水という3種の「水」を取り上げ、今年注目の商品として紹介しています。が、ちょっとこれはないと思いますし、何しろYahooニュースに出てしまうと影響力が大きいので、一応及ばずながら警告記事を書いておきます。 1番目の「ミネラル炭酸水」というのは「炭酸水は胃腸の調子をととのえ、ダイエット効果も期待できるほか、血

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    zu2 2013/01/27
  • 世界最小のヘリウム風船 : 有機化学美術館・分館

    11月6 世界最小のヘリウム風船 ドイツ・フライブルク大学のHorst Prinzbach教授が、この9月に亡くなったそうです。81歳でした(ChemistryViewsの記事)。 Prinzbach教授は芳香族化合物の研究などで知られましたが、最も有名な業績はドデカヘドランに関するものでしょう。正12面体構造の完璧な対称性を持つこの炭化水素は長年化学者たちのあこがれであり続け、「有機化学のエベレスト山」とも称されました。 ドデカヘドラン この構造を追い求め続け、1982年ついにこれを陥落させたのがLeo Paquette教授でした。30段階近くを要し、一歩一歩炭素を積み上げる手法で目的に到達しています。 この5年ほど後、工程を半分ほどに短縮して見せたのがPrinzbach教授です。下図のような炭化水素「パゴダン」をまず合成し、これを異性化させることでドデカヘドランを合成しています(論文)

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    zu2 2012/11/06
  • パリトキシンの話 : 有機化学美術館・分館

    11月1 パリトキシンの話 最近、パリトキシンという猛毒を持った魚があちこちで捕獲され、ニュースになっています。フグ毒の数十倍の猛毒であり、べたら半日で死に至るなどなどおどろおどろしい報道がなされています。魚の名は「ソウシハギ」というのだそうで、写真で見る限りなかなか毒々しい代物です。もともとは温暖な海に住む魚でしたが、地球温暖化の影響などで日各地で見られるようになっているとのことです。 ソウシハギ(ウィキペディアより) この魚が持つ毒・パリトキシンは、有機化学の世界では大変有名なものです。下図に示すように、記録的な大きさと複雑な構造を持っているからです。化学式C129H223N3O54、分子量2680と、繰り返し構造を持たない天然物ではトップクラスのサイズを誇り、毒性の方も屈指の強烈さです。ご覧になっていただければ、炭素原子の鎖がずらりとつながった、特徴的な構造がおわかりいただけると

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    zu2 2012/11/03
  • 化学コミュニケーション賞を受賞しました : 有機化学美術館・分館

    9月28 化学コミュニケーション賞を受賞しました さてこのたび、筆者は化学コミュニケーション賞を受賞することとなりました。今年2011年は世界化学年ですが、これを記念して日化学連合が設置した賞で、”「化学」に対する社会の理解を深めることに貢献した個人及び団体を顕彰し、その栄誉を称える”ものだそうです。まあ好きでやってきただけのことでそんな大層なものではありませんが、長年ぼちぼちと続けてきたことを評価していただいたのだと思います(受賞理由・PDFファイル)。 このあたりの話はまとめて書きましたので、近く共著という形で出る予定の化学コミュニケーションのに収録される予定です。題して「有機化学美術館の13年」。まあこれだけ続けているとそれなりにいろいろあるわけで、振り返りつつまとめてみました。が出ることになったらまた告知いたします。なおついでに、以前話に出ました創薬化学のは、11月発売の予

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    zu2 2011/09/29
    ぱちぱちぱち /
  • 細菌と放射線 : 有機化学美術館・分館

    8月4 細菌と放射線 さとうです。中国語関連で3回も書いていましたが、ちょっとこれはどうなんだという話を見かけたので、久しぶりに放射線関係の記事を。 どうやらここのところ、乳酸菌で放射能を消せるという話が出回っているようです。米のとぎ汁に砂糖などを加えて1週間ほど発酵させて乳酸菌を増やし、これを飲むなり部屋に噴霧するなりすることで放射能の害を防げるというものです。 実際問題としては、乳酸菌で放射能を防げる理屈はありません。また発酵といっても、素人がそううまく乳酸菌だけを増やすことができるわけではなく、雑菌か悪くすれば病原菌を育ててしまうこともありえます。下手をすれば腐った水を子供に飲ませているだけになりかねませんから、絶対にやめるべきです。 といっていたら、今日のとある新聞にこんな記事が出ていたようです。いずれ消えるでしょうから、まとめて引用します。 南相馬市、飯舘村で微生物を活用した除染

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    zu2 2011/08/04
  • ある白い粉のこと : 有機化学美術館・分館

    9月27 ある白い粉のこと ある物質の性質について調べてみました。これが何かおわかりでしょうか。 その物質は、水によく溶け、臭いはない。様々な形状をとることができるが、最もよく知られた外観は「白い粉」という姿だ。後述する様々な危険性を持つ物質だが、今のところ法律による規制をすり抜けており、事実上野放しになっているのが現状だ。 この物質は、摂取することによって人体に強い快感を与えることを特徴とする。一度摂取すると決してやめることはできず、毎日この物質を求めずにいられなくなる。悲惨なことに、この物質の中毒に陥りやすいのは若い女性だ。疲労感を忘れさせる性質があるため、肉体を酷使する職業の者も手を出してしまいやすい。脳の働きをよくするとして、勉強前に摂取する若者も後を絶たない。 この物質は人体の様々な防御機構を突破して血液中に苦もなく入り込み、全身をめぐる。細胞の一つ一つにまで入り込み、肝臓や筋肉

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    zu2 2010/09/27
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