1.四肢動物の骨格の基本構造 四肢動物には、胴体を貫く背骨(脊椎骨)がある。脊骨は形の違う脊椎骨が首の方から頚椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)、尾椎(びつい)と連なったものである(図1A)。脊椎骨の長さや数は、動物種によって異なるが後ろ足(後肢)の付け根は必ず胴体の終盤にあたる仙骨(仙椎由来)を含む骨盤に接続している。これは、今生きている動物だけでなく既に絶滅してしまった恐竜や首長竜に至るまで、あらゆる動物に共通している(図1B)。つまり、脊椎骨の数や形は進化の過程で大きく変化したにもかかわらず、後肢は例外無く仙椎の位置に形成されるのである。ここで、なぜ後肢は必ず仙骨に隣接する位置にあるのかという問いが生まれる。これは四肢動物の形態形成の際にプロポーションの変化を生む後肢の位置の多様化のしくみを知ることにもつながるはずである。