アフリカで大草原を見たら、どんな気持ちになるのだろう。 視界一杯に広がるサバンナと、悠然と歩く4頭のキリンの親子。当たり前だが、家財道具を持つでもなく、バッグをぶら下げるでもない。それを車の屋根の上から眺める27歳の佐藤さん。そのまま2時間、目が離せなくなった。 キリンと一緒に歩いて行きたい! 本書は、アフリカで「ケニア・ナッツ・カンパニー」を創業し、マカダミアナッツ業界で世界第5位の企業に育てた佐藤芳之さんの本だ。アフリカの社会では、会社員1人で家族10人を支えるという。ケニア・ナッツ・カンパニーの従業員数は4000人、関連する農家を含めると、実に20万人を養っている計算になる。2008年、佐藤さんは、そんな会社をタダ同然で手放した。アフリカのものはアフリカに。キリンのようにシンプルに。そして、70歳を超えた今、新たに、微生物によって土壌改良や汚水・悪臭処理を行う事業に取り組んでいる。