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ブックマーク / honz.jp (47)

  • 『操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか』 - HONZ

    書は、イギリスのシンクタンク「デモス」のディレクター、ジェイミー・バートレットの最新作The People Vs Tech: How the internet is killing democracy (and how we save it)を全訳したものである。原題を直訳すれば、『「国民」対「テクノロジー」:インターネットはどうやって民主主義の息の根をとめるのか(そして、いかにして民主主義を救い出すのか)』となる。原書は2018年4月19日、ペンギン・ランダムハウス系列の出版社で、ノンフィクションを得意とするイーバリー・プレスから刊行された。 著者のジェイミー・バートレットは「デモス」でソーシャルメディア分析センターのディレクターとして働くかたわら、ジャーナリストとしても活動を行い、「スペクテイター」誌のネットニュースに寄稿したり、BBCなどに出演したりしている。邦訳は書が二冊目で、

    『操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか』 - HONZ
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    zucche67 2018/09/21
  • 『一発屋芸人列伝』大きく勝って、大きく負けた山田ルイ53世が、負けの中に見出した勝機 - HONZ

    その日、電車に揺られながら、ぼくは迷っていた。これから会う相手にどんなスタンスで話を訊けばいいのか悩んでいたのだ。待ち合わせ場所は新宿小田急百貨店。この中にある書店で、山田ルイ53世の『一発屋芸人列伝』の発売を記念したトークショーが予定されていた。 『新潮45』連載時に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞した書は、発売前から重版がかかるほど評判が高く、すでにいくつかの著者インタビューも世に出ていた。その中には現代ビジネスに掲載された石戸諭さんによる素晴らしいインタビュー記事などもあって、いまさら屋上屋を架しても……という思いがあった。 さらに個人的な事情もあった。実は山田ルイ53世は、ぼくが勤めるラジオ局で番組を持っている。ただしそれは地上波ではない。ポッドキャストでの配信番組である。 正確に言えば、かつては地上波でワイド番組を持っていたものの、打ち切りの憂き目にあい、いまはポッド

    『一発屋芸人列伝』大きく勝って、大きく負けた山田ルイ53世が、負けの中に見出した勝機 - HONZ
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    zucche67 2018/06/15
  • 『GHQと戦った女 沢田美喜』 - HONZ

    戦後70余年。神奈川県大磯のエリザベス・サンダース・ホームで育った混血の孤児たちも、思えば、すでに老齢にさしかかっているだろう。 ホームの創設者、沢田美喜(1901~80年)は三菱財閥の創始者、岩崎彌太郎の孫である。男ならば当然、事業を発展させたはずだが、美喜は20歳で外交官、澤田廉三と結婚し、南米や中国、欧米各国で華やかな社交を繰り広げた。ところが、4人の子女を育て終えた40代半ばで敗戦を迎え、財閥解体で私財の大半を失うと、ほどなく戦争の落とし子らの救済に乗り出す。78歳で亡くなるまで、彼女が母親代わりとなって養子縁組をととのえたり、社会へ送り出した子供は二千人にも上る。 それはまさしく、占領期の日の復興、安定を支えた偉業に違いない。だが、大財閥の娘がなぜ、黒い肌、碧い瞳の、路傍に捨てられることすらあった混血の赤ん坊を、資金不足に悩まされながらも養育しようと決めたのか。どこか腑に落ちな

    『GHQと戦った女 沢田美喜』 - HONZ
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    zucche67 2018/02/16
  • 『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! - HONZ

    カレーライスを一から作る。そう聞けば「ふむふむ、市販のルーを使わずに、スパイスをアレンジするのかな」と、まずは思うのが普通のリアクション。で、隠し味とか一手間とか、なにか工夫やアイディアがあって、と。実際「カレーライスをつくる」「カレーライスを語る」というは数多ある。なにしろ国民。美味しく作るために、どれほど多くの人々が、どれほど多くの情熱を傾けてきたことか。 しかしこのはそうではないのだ。表紙に小さく書いてある「関野吉晴ゼミ」の文字に気づけば、ただのカレーライスではないことがわかるだろう。 関野吉晴さんといえば、人類の足跡をたどる旅・グレートジャーニー! 1995年から2002年までフジテレビで不定期放送されていた紀行ドキュメンタリーで、世界中を飛び回っていた探検家である。植村直己冒険賞受賞、人類学者であると同時に外科医でもある。この日が誇る探検家がカレーライスをどうしたって?

    『カレーライスを一から作る』米も、野菜も、肉も、食器も! - HONZ
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    zucche67 2018/01/24
  • 埼玉でスッポン、都内でエイを『捕まえて、食べる』アドベンチャーは自転車で! - HONZ

    夏休みシーズンが到来し、海へ山へと出かける計画を立てている最中の方も多いかもしれない。しかし夏休みには、いつか終わってしまうという最大の欠点がある。これを回避する方法が、一つだけ存在するのだ。それは、毎日を夏休みのように生きるということである。 書の著者は、まさにそんな生き方を体現している人物だ。スッポンを自分で捕まえて鍋にする、エイを捕まえてフォンオフェを作る。だが、いかにもアウトドアの達人という風情でもなければ、料理の腕に覚えありというタイプでもない。 捕まえた場所は、ほとんどが自転車で行ける場所。料理を作る包丁さばきも、しどろもどろ。だけどやっていることは結構無謀。一風変わった材ばかりを調達し、普通は試さない特殊な調理法を、ほんのりアドベンチャー風味で紹介してくれる。 著者は大学時代に山形で暮らすようになってから狩猟能に目覚め、卒業後、新小岩で一人暮らしを始めたことが運の尽き。

    埼玉でスッポン、都内でエイを『捕まえて、食べる』アドベンチャーは自転車で! - HONZ
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    zucche67 2017/07/27
  • 『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』そこには、最低限の秩序だけがあった - HONZ

    「出勤日も、出勤・退勤時間も自由」 「欠勤の連絡をしなくてよい」 「嫌いな作業はやらなくてよい。好きな作業だけやればよい」 著者の武藤北斗さんが経営している水産加工会社のルールである。こんな職場、当にあるの? のっけから驚かされる。理想主義も行き過ぎて、意識高い系の実験的な試みはいいけれども「生き生き働く笑顔」のうらになにか無理が潜んでいるんじゃ…。などと恐る恐る読み始めたのだが。 とにかく徹底している。その日出勤するかしないかは各人の自由なのだが、行くか行かないかを連絡する必要すらないのだという。というか連絡は「禁止」なのだ。なぜなら「好きな日に休んでいいよ」といいながら「だけど連絡はしてください」だの「事前に報告してください」だのと言えばやはり管理されているように感じるだろうし、無言のプレッシャーをかけることもできることになってしまって、ルールが形骸化するからだ。たしかに「うちは福利

    『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』そこには、最低限の秩序だけがあった - HONZ
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    zucche67 2017/07/24
  • 歴史的偉業を世界に知らしめよ 『ライト兄弟 イノベーション・マインドの力』 - HONZ

    「全米ベストセラー」だという。ときとしてあまりにも軽く使われてしまうこの宣伝文句であるが、しかし、このに関してはその言葉に嘘偽りはないようだ。 原書は2015年5月に刊行され、5月下旬から7月上旬の7週に渡ってニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト(ノンフィクション部門)の1位を記録。また邦訳書の刊行時点で、Amazon.comの書誌ページには5000を超えるレビューが寄せられていて、その平均評価は5点満点中の4.6である。いやはや、文句のつけようがないベストセラーではないか。 書は、そのタイトルどおりライト兄弟の伝記である。幾多ある伝記のなかで、書がそこまで多くのアメリカ人の支持を得ているのには、いくつかの理由が考えられる。 そのひとつは、著者のデヴィッド・マカルーが卓越したライターであることだろう。邦訳書の少ない著者ではあるが、これまでに物した11の作品のうち、2作品でピュ

    歴史的偉業を世界に知らしめよ 『ライト兄弟 イノベーション・マインドの力』 - HONZ
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    zucche67 2017/07/07
  • 夢の抗がん剤はこうして生まれた!『フィラデルフィア染色体』 - HONZ

    『フィラデルフィア染色体』と聞いても、医学関係者以外は何のことかわからないだろう。血液細胞の「がん」のひとつである慢性骨髄性白血病(CML)において認められる異常な染色体の名前である。その染色体の発見から、CMLに対する夢の特効薬がどのようにして開発されたかを丁寧に描いたのがこのだ。 1959年、フィラデルフィアのがん研究者と「染色体おたく」が共同して、CML患者の白血病細胞に、正常な血液細胞には存在しない「いもむし」のような形をした微小な染色体が存在することを発見した。翌年、その成果は、超一流科学誌サイエンスに、たった300語という異例の短さの論文として発表された。CML患者の95%以上にこの染色体異常が見つかることがわかり、発見された都市にちなんでフィラデルフィア染色体と呼ばれるようになった。 フィラデルフィア染色体が「相互転座」によって生じることがわかったのは、10年以上もたった1

    夢の抗がん剤はこうして生まれた!『フィラデルフィア染色体』 - HONZ
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    zucche67 2015/09/30
    中高時代の同級生を救ったのはこの薬なのかな。
  • 『不健康は悪なのか』はスゴ本:健康をモラル化する社会 - HONZ

    今週日曜日に行われた、HONZイベント@d-labo二子玉川。終了間際の質問コーナーにて、観客席にいた一人の眼光鋭い男性から『不健康は悪なのか』というを紹介された。その男性の口からは、次々に知る人ぞ知る名著の名前が飛び出し、HONZメンバーもたじたじに。聞けば、スゴブログでおなじみのdainさんであるという。イベント終了後すかさず交渉に入り、レビューを寄稿していただきました。(HONZ編集部) べようとするケーキを奪って「あなたのためだから」と言い放つ(終業ぎりぎりでドサッと仕事を渡すバージョンもある)。強く印象づける目的としては、このCMは大成功だ。心ざわつく嫌なメッセージとして、絶対忘れないから。人の為と書いて、いつわりと読む。これは、善意の皮を被せた、人をコントロールする言説だ。 書を読み進めているあいだ、何度もこの「あなたのためだから」が頭をよぎる。おっぱい育児を推進する全

    『不健康は悪なのか』はスゴ本:健康をモラル化する社会 - HONZ
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    zucche67 2015/07/17
    何を隠そう、私は禁煙ファシストだ。日々「きみの為だ」と周囲に禁煙を強要しているが、その本当の目的は相手の健康では無く、自分が煙に巻かれるのが嫌なだけなのだ。
  • 今週のSOLD OUT:2015年6月21日週 - HONZ

    新しく「今週のSOLD OUT」というコーナーを始めます。このコーナーでは、今週HONZに掲載された人気記事の中から現時点でAmazon在庫切れ(紙の)になっているものだけを紹介するという誰得なコーナーです。 多くの方に読まれたレビューだけあって、さすがにどれも面白そうなばかりです。相当ムラムラされるかもしれませんが、現在Amazonでは購入できません。ネット時代における新しいSMプレイの一環として考案してみました。 HONZ紹介Amazonで複数SOLD OUTした時にしか実施しませんので、HONZの調子が悪い時には書かなくて済むという、僕にとっても非常に好都合なコーナーです。 そんなの誰が読むんだよと思われるかもしれませんが、リアル書店の方、他のネット書店の方、せどり屋さん等を対象としております。我こそはと思われる方は、積極的にシェアしていただければ幸いです。 それでは、今週の

    今週のSOLD OUT:2015年6月21日週 - HONZ
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    zucche67 2015/07/01
    買えない本がストライクって、辛いわ。
  • 「ぐりとぐら」創作の原点 『子どもはみんな問題児。』 - HONZ

    書は、ミリオンセラー絵『ぐりとぐら』の作者、中川李枝子さんが書いた教育エッセイだ。著者は、17年間保母として勤務したのち、絵作家になった。ここには、主にその17年間に著者が感じたことがまとめられている。子を持つ親たちにとって、子供たちが保育園でどのように過ごしているのかを思い浮かべるのは、文句なしに楽しいことだ。私も読みながら、思わずニヤニヤしてしまった。またもしも、毎朝、泣き叫ぶ我が子を保育園にあずけているお母さんがいれば、これを読めば安心して仕事に身が入るようになるに違いない。子育てへの勇気がもらえるという意味では、少子化に悩む日の将来を拓くといえる。 なぜ、勇気がもらえるのか。それは、書が身も蓋もないほど、正直につづられているからである。例えば、著者が勤めていた保育園では、面倒なことは一切やらない方針で「園だより」も出さないし、毎日の連絡帳もなかったそうだ。勤め始めたころ

    「ぐりとぐら」創作の原点 『子どもはみんな問題児。』 - HONZ
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    zucche67 2015/06/03
    作者はとなりのトトロの「さんぽ」の作詞者だって。
  • 『メモリアル病院の5日間』カトリーナの被害がもたらした教訓 - HONZ

    2005年8月末、巨大ハリケーンのカトリーナがアメリカ南東部を襲い、1800名以上の命が失われた。中でも被害の大きかったルイジアナ州最大の都市ニューオーリンズは、堤防の決壊により市中の8割が水没する壊滅的打撃を受け、死者の大半を出している。 そのニューオーリンズにあるメモリアル病院で、安楽死の疑いがある患者の大量死が発覚し、医師と看護師3人が殺人罪で逮捕された。カトリーナが起こした洪水被害によって設備のほとんどが機能しなくなった病院で、助かる見込みのない患者の避難を断念し、モルヒネなどの薬物で死に至らしめたというのだ。 書は、亡くなった患者を除く全員が病院から避難するまでの5日間とその後の安楽死裁判の顛末、さらに問題が起きた背景にまで深く踏み込んだ骨太なドキュメントである。医師、看護師、病院スタッフや幹部、患者、家族、政府の役人、倫理学者、弁護士、研究者など数百人を対象に行われたインタビ

    『メモリアル病院の5日間』カトリーナの被害がもたらした教訓 - HONZ
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    zucche67 2015/05/18
    「ひかりごけ」を想わせる
  • おもろすぎっ!!『本当にあった医学論文』 - HONZ

    学会の書籍売り場で愕然とした。私としたことが完全に見落としていた。HONZの医学担当(そんなのないけど)として失格である。こんなおもろいがあったんや。それも、昨年11月発売以来、3ヶ月で三刷りと、専門書にしては爆発的な売れ行きだ。 発刊から半年なので、HONZで紹介するには時間がたちすぎているしなぁ、と思ってふと横を見ると、『前作「当にあった医学論文」大好評につき、早くも「2」の刊行を呈した1例』と、医学関係の学会でよくある症例報告のタイトルみたいな帯をつけたが。ということで、二冊まとめて紹介いたします。 タイトルの通り、医学専門誌に掲載された論文が、79編+75編、二冊あわせて154編も紹介されている。いやまぁ、ほんまによくこれだけ集めたものである。どれも、おもろい。紹介されている論文は、おおきく二通りに分類される。ひとつは、なんでそんなことを調べたくなったんやという研究。もうひと

    おもろすぎっ!!『本当にあった医学論文』 - HONZ
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    zucche67 2015/05/14
    イグノーベル医学賞てあるんだっけ?
  • 『原子・原子核・原子力-わたしが講義で伝えたかったこと』 - HONZ

    さすがは山義隆、と唸るしかない一冊だ。これが予備校での講演録だというから恐れ入る。原子とは何か、原子核とは何か、が、アリストテレスにはじまり、発見の歴史的経緯を追いながら丁寧に説明されていく。多少の数学と物理の知識は必要かもしれないが、古典力学から説き起こされる原子や原子核の話は直感的に捕らえやすく、決して難しくない。 そして、最後は原子力について。核分裂の発見から、原子炉の開発、そして、原子爆弾。もちろん原子力発電の問題についても論じられている。あぁ、なるほど、このを読むと、山義隆が『磁力と重力の発見』で大佛次郎賞を受賞した時の、何のために勉強するのかについて語ったこの言葉がすとんと腑に落ちる。 専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するにものごとを自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです。 原子

    『原子・原子核・原子力-わたしが講義で伝えたかったこと』 - HONZ
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    zucche67 2015/05/12
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  • エイズ治療研究の最前線--『完治』への道 - HONZ

    「青木薫のサイエンス通信」番外編の更新です。今回取り上げたのは、仲野徹とのクロスレビューになる『完治 – HIVに勝利した二人のベルリン患者の物語』。なぜHIVを克服するのが難しいのか?そこを深く理解することで、患者を「完治」へと導いた主治医の「着眼」が見えてきます。 (※稿は、青木さんご自身のFacebookに書かれていた感想を、そのまま掲載させていただいております。) 今年に入ってすぐの頃だったと思うのですが、『ニューヨーカー』にジェローム・グループマン(ハーバード大学医学部教授で、『ニューヨーカー』のスタッフライター)が、エイズ治療の最前線をレポートしていました。グループマンは、エイズがエイズと呼ばれるようになる前から、この病気の研究に関わっていたとのことで、さすがと言うべきか、研究の最前線が、とても見通しよく、かつ魅力的に描かれていて、思わず引き込まれてしまいました。 ところで、

    エイズ治療研究の最前線--『完治』への道 - HONZ
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    zucche67 2015/03/26
    memo
  • もう一つの戦場『帰還兵はなぜ自殺するのか』 - HONZ

    「助けがどうしても必要だ」 「ひっきりなしに悪夢を見るし、怒りが爆発する」 「外に出るたびに、そこにいる全員が何をしているのか気になって仕方がない」 「悪霊のようなものに取りつかれずに帰ってきた者はひとりもいないと思う。その悪霊は動き出すチャンスをねらっているんだ」 イラク戦争からの、アメリカ帰還兵たちが口にした言葉である。戦地のイラクやアフガニスタンに派兵され、帰還した兵士はおよそ200万人。彼らの中には、見た目は健康でも、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やTBI(外傷性脳損傷)といった心の傷を抱える者が少なくない。気、不安、記憶障害、人格変化、自殺願望といった症状に悩まされる兵士たちの数は50万人に上り、毎年250人超が自ら命を絶っているという。(2012年8月の「ニューズウィーク」には毎日18人の帰還兵が自殺するという記事も出ている) 書は、心に傷を負った5人のイラク戦争帰還兵

    もう一つの戦場『帰還兵はなぜ自殺するのか』 - HONZ
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    zucche67 2015/03/09
    戦争は非日常で超現実。日常に戻っても現実には戻れない不幸が、本当の戦後か。
  • その”時代錯誤”は戦略なのか? 『イスラム国 テロリストが国家を作るとき』 - HONZ

    我々日人にとって、中東という地域は直視することが難しい存在である。欧米的なフィルターを通して見ることも多いため、馴染み深い価値観との違いにばかり目が向い、不可解で危険な存在と断定してしまうことも多いだろう。 書のテーマとなっている「イスラム国」という存在についても、数多くの残虐な振る舞いがニュースやソーシャルメディアを通して喧伝され、その当の姿を我々は知らない。だが我々が彼らの歴史を知っている以上に、彼らは我々の歴史をよく知っているようだ。 これらのバイアスを一度リセットし、むしろ我々にとって既知なるものとの類似性を対比することで評価を定めて行こうとするのが、書『イスラム国 テロリストが国家を作るとき』である。 著者はテロ・ファイナンスを専門とする女性エコノミスト。そのような専門領域があったこと自体驚きなのだが、そこに行き着くまでの彼女のエピソードも面白い。かつて幼なじみの友達がテ

    その”時代錯誤”は戦略なのか? 『イスラム国 テロリストが国家を作るとき』 - HONZ
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    zucche67 2015/02/17
    自らを野蛮に見せるテロリスト。例の事件から持っている先入観よりも、遙かに恐ろしい集団だ。
  • これぞ機上の空論か!『ビックリ飛行機でゆく世界紀行』 - HONZ

    一般的に「手段の目的化」という言葉が、良い意味で使われることはあまり多くない。まず目的ありきで、それを実現するために手段がある。逆になってしまうと目的が形骸化し、質的ではなくなるという声もよく耳にすることだろう。 ところが、である。これが趣味の話となると、事情は異なるのだ。むしろ「手段の目的化」にこそ、マニアの真髄が隠されていると言えるだろう。何か特定の目的のためではなく「ただ好きだからを読む」とか、いっそのこと「ただ楽しいから人生を生きる」とか言い切ってみると、ちょっとしたポエムも出来上がる。 書の著者、チャーリィ古庄氏も、そんな「手段の目的化」を極めた人物である。飛行機という交通手段そのものをエンタテイメントと捉え続け、「世界で最も多くの航空会社に搭乗した人」としてギネス認定されたほどの筋金入りだ。 人自ら「撮りインフルエンザ」と「乗りウイルス」に感染したと宣う「冒険航空写真家

    これぞ機上の空論か!『ビックリ飛行機でゆく世界紀行』 - HONZ
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    zucche67 2015/01/30
    素晴らしき飛行機「めあての」旅行
  • 『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』 - HONZ

    ホッケの干物といえば居酒屋メニューの定番。大皿にもおさまらないくらい大きくて、仲間たちとワイワイつつく魚。家で焼こうとしようものなら、魚焼きグリルからしっぽがはみだしてしまうような。 ところが、そのホッケがいま、年々小さくなっているという。それこそアジの干物ほどの大きさに。しかも値段は高騰、居酒屋メニューのような庶民の味ではなく高級魚になってしまったというのだ。たしかに言われてみると、スーパーの鮮魚売り場で見かけるホッケは、こじんまりと品よく高い。なぜこんなことになったのか。 ホッケの漁獲量が減ってしまったのだ。もはや海に大きなホッケはほとんど見当たらなくなっているという。1998年の20万トンをピークに、2011年にはなんと!75%減のたった5万トンになってしまった。獲りすぎたのだ。 こうして獲りすぎて、いなくなってしまった魚はホッケだけではない。マイワシ、ニシン、マサバ、ウナギ…。クロ

    『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』 - HONZ
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    zucche67 2015/01/29
    マーケットを見据えた知的な漁業資源保護を 『あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか』 (via @Pocket)
  • 『切断ヴィーナス』 - もっと高く、もっと遠くへ、そしてもっと美しく。 - HONZ

    OL、モデル、アスリートにイラストレーター… 書に登場する11人の女性には、一つの共通点がある。 それは、全員が義肢装具士・臼井二美男さんによって手がけられた義足を身につけているということである。一人ひとりの思いを実現するため、何度も対話を重ねながら生み出された「夢見る義足」。足の切断というアクシデントに見舞われた女性たちが、今、新たな一歩を踏み出した。 人間の根源的な欲求は、須らく「足」というパーツへ向かうのだろうか。もっと高いところへ、もっと遠くへ。その欲求はアフリカにいた人類の祖先を世界へと誘ったし、もっと美しく見られたいという欲求は、様々なファッションを生み出してもきた。 それらの思いを彼女たちの「表現」として描き出すのは、気鋭の写真家・越智貴雄さん。約1年前に開催された写真展でも大きな反響を呼んだ、まさに目を奪われる写真の数々。そのいくつかをご紹介したい。 * もっと高いところ

    『切断ヴィーナス』 - もっと高く、もっと遠くへ、そしてもっと美しく。 - HONZ
    zucche67
    zucche67 2014/05/21
    広角レンズに取り替えて、自分の生き方を見直すのもいい。