世界初のハイブリッド鉄道車両、7月末より運転開始、JR東日本 JR東日本は7月3日、世界初のハイブリッド動力システムを搭載した鉄道車両(キハE200系)3両の営業運転を7月31日から開始すると発表した。山梨県小淵沢と長野県小諸を結ぶ小海線の列車として使用する。 ハイブリッド動力システムを搭載したキハE200系 山地を通る小海線では現在、ディーゼルエンジンで直接駆動する車両(キハ110系)を運転している。新たなハイブリッド車両はディーゼルを発電に利用し、さらにブレーキ時に発電モーターを動かすことで、燃料消費と環境負荷を抑える。 JR東日本では「従来車両に比べ窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出量を60%減らせる」としている。 初日は9時55分発、中込駅―小諸駅間を含め下り2本、上り1本を運転する。8月1日からは下り5本、上り4本に増やす。9月3日以降は土休日の臨時列車と平
JFEエンジ、独自技術「水和物スラリ蓄熱空調システム」の環境性・省エネ性を確認 JFEエンジニアリングは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で開発した「水和物スラリ蓄熱空調システム」について、このほど高い環境・省エネ効果を確認したと発表した。 水和物スラリとは、化学品として普及しているTBAB(テトラブチルアンモニウムブロマイド)という物質を溶解した水溶液の冷却によって生成される微細な水和物と水溶液の混合流体を指す。JFEエンジは2005年10月より独自技術である水和物スラリ蓄熱空調システムの事業化に向けた取り組みを進めている。 この中で、2005年5月に竣工したJFEエンジニアリングの鶴見事業所ビルの一昨年度の冷房期間(6~11月)におけるエネルギー消費量削減効果と二酸化炭素(CO2)排出量削減効果が、それぞれ32%、37%だったことが明らかになっている。また、20
日本製紙、マツの挿し木大量増殖技術を開発 日本製紙と地球環境産業技術研究機構は、光独立栄養培養技術を応用した挿し木増殖技術により、マツ科樹木の挿し木による大量増殖技術を開発したと発表した。この技術により、将来的には乾燥地や痩せ地などの荒廃地に生長の早いマツを植樹し、樹木による二酸化炭素の固定化の促進を目指すという。 マツ科樹木は、乾燥や塩害、寒さに強く、やせた土地でも育つため、建築材料や製紙の原料として世界中で植えられている。また、環境保全や景観確保からも、各地で活用されている。 一方で、マツは挿し穂を得にくく、発根に何カ月もかかり、発根率も低いことから、従来の挿し木では増殖が難しかった。今回の共同開発では、従来に比べ、挿し穂が20倍以上得られ、発根期間が3分の1から5分の1に短縮でき、発根率も向上させることに成功したという。 地球環境産業技術研究機構と日本製紙では、今後この技術を
電力中央研究所と関西電力、バイオマス発電で世界最高レベルの発電効率を達成 電力中央研究所と関西電力は共同で、木質バイオマス等を燃料とした「高効率炭化ガス化ガスエンジン発電システム」を開発した。定格出力320kWで世界最高レベルの発電効率23%を達成した。 バイオマス発電は、数千kW以上の大規模なものを除いては発電効率が低く、採算性が低い。今回の共同開発は、中小規模の発電システムでの発電効率向上を目指して進めてきたもので、電力中央研究所が開発した発電用燃料ガスを製造するバイオマスガス化技術と、関西電力の持つ着火力の強いガスエンジン技術を組み合わせた。バイオマスを発電用燃料ガスに転換するガス化炉の高性能化、低カロリーの発電用燃料ガスに対応するガスエンジンへの改良を図ることで、世界最高レベルの発電効率を達成した。 バイオマス原料は性状が不安定で、ガスカロリーが変化するが、今回開発したシス
東レ、150℃の耐熱性植物繊維強化ポリ乳酸プラスチックを開発 東レは、ポリ乳酸(PLA)とセルロースを主成分とする植物繊維を混練し、耐熱性と剛性、成形性を向上させた植物繊維強化PLAプラスチックを開発した。このプラスチックは、バイオマスプラスチックで世界最高レベルの150℃の耐熱性を持つほか、従来のPLAプラスチックの2倍の剛性を持つ。また、成形時間の大幅短縮が可能になったという。同社では、この製品の自動車部品、電気・電子部品、土木・建築資材、家具など、幅広い用途での開発を進めるという。 これまでPLAの強度を向上させるため、補強剤として植物繊維を配合する技術が開発検討されてきたが、均一に混ざらないことにより、成形性の悪さや耐熱性の低さなどの課題が残っていた。しかし、今回、独自の樹脂混練技術の開発により、成形時にPLAが分解しやすいという問題を解決するとともに、成形品の外観や剛性の向上
神戸製鋼所、砒素を吸着・浄化する鉄粉を開発 神戸製鋼所はこのほど、砒素を吸着・浄化する鉄粉を開発・商品化した。 この鉄粉は、工場排水、温泉排水、地下水などの浄化を目的としたもの。鉄粉を入れた容器に砒素汚染水を連続的に流すだけで、砒素含有濃度を環境基準値の0.01mg/l以下まで浄化できるという。0.1mg/lの砒素濃度を0.01mg/l以下まで浄化する場合、鉄粉1kgで100m3の水を処理できる。この鉄粉は砒素だけでなく、セレンや鉛、カドミウムといった重金属汚染水の浄化にも効果がある。 砒素浄化に対する需要は高く、市場規模は国内で年間数千tと想定される。砒素汚染水の浄化を行う場合、従来は主に、鉄塩と砒素を反応させ、難溶性の砒酸鉄化合物として沈殿させる「共沈法」が採用されていた。しかし、共沈法では、効率的な沈殿に適したpH領域を維持するために、酸やアルカリ剤によるpH調整が必要となる。
東京電力、石炭灰を再生利用した「ヒートアイランド抑制ブロック」の実証試験 東京電力はこのほど、東京都千代田区とともに同区大手町の歩道で、石炭灰を再生利用した「ヒートアイランド抑制ブロック」の実証試験を開始する。 路面アスファルトの高温化は、ヒートアイランド現象の一因とされ、その解決が喫緊の課題となっている。東京電力は2005年7月、子会社の東電環境エンジニアリングとともに、石炭火力発電所で発生する石炭灰を再生利用し、保水性を高めた「ヒートアイランド抑制ブロック」を開発した。 東電は、このブロックについて、技術開発本部でフィールド試験を実施し、高い冷却効果と舗装材として十分な強度を有していることを確認している。今回、引き続き、冷却効果の持続性と耐久性を検証するため実証試験を行うこととした。 千代田区大手町1丁目の区道に、2種類の「ヒートアイランド抑制ブロック」と一般的なアスファルト舗
アブラナ科の植物が、ため池底泥土のカドミウム濃度を低減する効果を確認 農業・食品産業技術総合研究機構、フジタ、三菱マテリアルは、アブラナ科の植物(ハクサンハタザオ)がため池底泥土のカドミウム濃度を低減する効果を有することを確認した。 この研究は、ため池の底泥土等をリサイクルするための技術の一環として開発した。ため池の底泥土にはヒ素、鉛、カドミウム等の有害な重金属類が含有されている場合がある。これらの底泥土を安全にリサイクルするためには土壌中の重金属を除去するか、不溶化する必要がある。農業・食品産業技術総合研究機構とフジタ、三菱マテリアルは土壌中のカドミウムを、植物を利用して吸収・減少させる方法を検討してきた。 カドミウム含有土を使った室内ポット試験、屋外実証試験を行った結果、ハクサンハタザオが100~800ppmのカドミウム吸収能力がある重金属高集積植物(ハイパーアキュムレータ)であ
神戸製鋼所は奈良先端科学技術大学院大学と共同で、目的とする音声だけを高精度に確実に分離する音源分離装置を開発したと発表した。野外の騒音が多い環境でも、聞きたい音声だけをリアルタイムで高精度に抽出することができるため、一層小型化できれば携帯電話機などに組み込むなどの応用が期待されている。 今回の試作装置も手のひらに載る大きさで、世界最小サイズ。工場の機械の異常音を検出する応用などに適用できる。将来は人間型ロボットの音声認識装置などへの応用が期待できるとする。 今回開発した音源分離装置を構成する主要な要素技術の一つである音源分離アルゴリズムは、奈良先端大の情報科学研究科音情報学処理講座の猿渡洋助教授との共同研究成果である。非線形アレー理論を基にアレー信号を非線形処理することで特定の音声(音響)に対する雑音抑圧処理として拡張したもの。 開発した音源分離アルゴリズムの技術に、高性能な信号処理プロセ
燃料電池展:「水は使いません」、栗田工業の固体状メタノール燃料電池が進化 栗田工業は、固体状のメタノールを燃料に使うダイレクト・メタノール型燃料電池(DMFC)のシステムを、「第3回 国際水素・燃料電池展」に出展した。 同社は以前にも固体状メタノールを使ったシステムを出展していたが、今回はシステムをさらに進化させた。従来は固体状メタノールを実際に燃料として利用する際に、少量の水を接触させて燃料極に供給していた。今回のシステムでは、この水が不要になった。「水は使いません。固体状のまま燃料極付近に装てんするだけで、発電を開始します」(栗田工業のブースの説明員)。従来は水を供給する補器が必要だったが、それらが不要になることから、よりシステムを小型化できるという。 さらに詳しい情報は「Tech-On!のWebサイト」でご覧いただけます。 閲覧には「ユーザー登録(無料) 」が必要です。
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