2005年に地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワに着陸し、地球への帰還を目指して飛行を続けている小惑星探査機「はやぶさ」が27日、地球に接近する軌道に入り、今年6月の帰還にめどが立った。燃料漏れやエンジンの故障などを乗り越え、計画から3年遅れで帰還する。 イトカワを離れ、帰途についたはやぶさは昨年11月にエンジンが故障。帰還が危ぶまれたが、四つあるエンジンのうち、生き残った2基を組み合わせて飛行を続けていた。今後さらに軌道を微調整しながら地球に近づき、小惑星の砂を入れるカプセルを豪州の砂漠に投下する予定だ。 宇宙航空研究開発機構はこの日、はやぶさが地球に接近する軌道に入ったことを確認し、午後3時すぎにエンジンを停止した。エンジン担当の国中均教授は「技術的には小惑星往復を達成できたと考えている。よく帰ってきた」と喜んだ。 はやぶさは03年5月、世界で初めて小惑星の砂を持ち帰るのを目標