09年12月、覚醒剤を使用したとして覚せい剤取締法違反の罪に問われた神奈川県茅ケ崎市の無職の男性被告(45)に対し、横浜地裁は8日、無罪(求刑・懲役3年6月)を言い渡した。秋山敬裁判長は、令状なく男性の車内を捜索した捜査手続きを違法と認定し、その後、覚醒剤が検出された男性の尿検査結果も「違法手続きと密接に関連する証拠」と述べ、証拠として認めなかった。男性は同日中に横浜拘置支所(横浜市港南区)から釈放されたが、直後に別の窃盗と傷害の容疑で逮捕された。 判決によると、09年12月25日未明、横浜市緑区の量販店駐車場に止めてあった男性の乗用車が不審車両として110番された。駆け付けた警察官が令状を取らず車内を調べ、覚醒剤を発見。駐車場に戻ってきた男性を同法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕し、その後の尿検査で覚醒剤使用の陽性反応が出た。 横浜地検は証拠が不十分として、覚醒剤所持については不起訴とし、