オーストラリアのカンタス航空は29日、全路線での無期限運航停止を発表した。労組のスト攻勢に対し経営陣が強硬策に出た形で、同社の経営への悪影響や信頼失墜などを懸念する豪政府は、仲裁に入る意向も示している。 ロイター通信などによると、経営陣のコスト削減計画などに反発するパイロットや地上スタッフらの労組が、今年9月からストを断続的に実施。これまでにストによる損失は計6800万豪ドル(約55億円)に達しているという。 同社は29日、労組と合意に達するまで、22カ国に展開する108機の運航を停止すると発表し、労組側を31日以降、会社施設から閉め出す意向も表明した。 ギラード首相は29日、「国家経済への影響を懸念している」と事態を憂慮。アルバニーズ運輸相は報道陣に対し、事態収束のため、特別労働審判の聴聞会開催を要請したと述べた。【服部正法】