女子柔道五輪代表ら15選手の集団告発を受け会見する全日本柔道連盟の小野沢弘史専務理事(手前)と村上清事務局長=30日午前、東京都文京区の講道館(矢島康弘撮影) どこまでが「指導」で、どこからが「暴力」か。柔道女子代表監督の告発問題は、線引きの基準を何に求めるのかという難題を、スポーツの強化現場に突きつけている。 園田隆二代表監督は技術研究に熱心で、指導理論にも定評がある。その一方で、実業団や大学の指導者の間では「熱くなり過ぎる面もあり、それが心配だ」と懸念する声もあった。 元女子代表コーチの経験を持つ柔道関係者は「人間関係ができていなければ、熱血指導が暴力と受け取られる危険は常にある」と警鐘を鳴らす。この関係者は女子代表コーチに就任した当初、選手との信頼感の構築に腐心した。選手の所属先に出向き、日頃の練習から接することで選手との距離を縮めたという。 一方で、強化合宿になると代表選手に偏った