自殺した東京都の男性の父。「息子は高校まで剣道に打ち込み、厳しい指導には慣れていたはずだった」=10月、埼玉県内パワハラのパターン 【牧内昇平】東京都の男性(当時24)は2010年11月、働いていた東京都内の飲食店「ステーキのくいしんぼ渋谷センター街店」が入るビルで自殺した。 「やばいと思っていた」 一緒に働いていた元同僚(32)は語る。元同僚によると、09年夏、同じ「くいしんぼ」の渋谷東口店での出来事だった。午後、元同僚がフロアで客を待っていると、キッチンから怒鳴り声が聞こえた。コック服を着た男性が上司に叱られていた。 数分ほど怒鳴り続けた上司は、持っていたしゃもじを振り上げた。バドミントンのラケットよりやや小さい面を持った、木のしゃもじだ。「まさか」。元同僚が止める間もなく、上司は男性の頭にしゃもじを振り落としたという。 暴力は一回きりではなかった。休憩時間に店を出た男性が、