「赤ちゃんは『泣く』のが仕事よ」と、かつては言われたものです。 しかし2004年の子ども未来財団調査によると、赤ちゃん連れでバスや電車に乗っている際に、赤ちゃんの泣き声がうるさいと注意されて嫌な思いをしたことのある母親は8割に上るそうです。 また、06年の厚生労働省調査では、虐待死した子どもの4割が0歳児であり、そのうち7割は6カ月未満児です。その理由は、子どもが泣く意味や接し方が分からないからというものが少なくありません。 つまり、「お腹が空いた」「オムツが濡れた」「抱っこしてほしい」など、赤ちゃん自身が思いを伝達できる唯一の表現である泣く行為を否定的に捉えている現状があります。 保育者を含む大人が子どもの育ちを考える時、この「泣き」の行為を肯定的に受け止め、伸びやかに表現できる環境を整えることこそ求められているのです。 子どもが、主体的に環境(人、事物、出来事など)に関わるた