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ある日、記者のスマートフォンに、法律事務所からショートメッセージ(SMS)が届いた。「受任通知を送付しました。至急、開封のうえ、ご対応をお願いします」。身に覚えはなく、詐欺の類いだと思って無視していると、8月には毎日届くようになった。調べると、法律事務所は東京に実在している。放置すべきか、反応すべきか。そしてついに、事務所から電話がかかってきた-。 ■携帯に「受任通知を送付した」 メッセージが最初に届いたのは6月23日。宛先は記さず、最後に「弁護士法人○○○○法律事務所」と記されていた。スマホは会社名義で、仕事以外に使わない。自宅にも会社にも「受任通知」は届いていない。 「折り返して連絡を取ると、だまされたり、個人情報を取られたりするのではないか」。そう思い、無視を決め込んだ。2日後にも、支払い期限が6月27日だというメッセージが送られてきた。 その後は何もなかったが、8月19日に再び1通
兵庫県尼崎市消防局の救急隊が、交通事故で搬送していた男性に新型コロナウイルスの陽性反応が出たとして、病院に運ばずに事故現場に降ろして立ち去っていたことが12日、同市消防局などへの取材で分かった。男性は再び搬送され、市外の病院で足の骨折と診断された。 同市消防局などによると5日午後11時50分ごろ、同市内の国道2号で、神戸市東灘区に住む大学生の男性(21)がバイクを走行中、軽乗用車と接触し転倒。足の痛みを訴え、男性の友人が119番したという。 かけつけた尼崎市中消防署の隊員らは男性を救急車に乗せ、同市内の病院へ向かった。発熱があり、車内で抗原検査をしたところコロナ陽性反応が出たため、病院に拒まれた。隊員は男性のけがを目視で確認し、緊急性はないと判断して現場に戻り、男性を降ろしたという。 約1時間後、男性は首や腰にも痛みを覚え、父親(59)が現場から再び119番。尼崎市消防局の救急車で西宮市内
兵庫県尼崎市が全市民約46万人の住民基本台帳情報などが記録されたUSBメモリーを紛失した問題に絡み、フリーマーケットアプリ「メルカリ」に23日午後、「尼崎のUSBメモリ」という商品が出品された。価格は45万2600円(税込み、送料込み)に設定されていた。すぐに削除され、市はいたずらとみている。 商品は問題が報じられた直後に出品された。価格は、インターネットで尼崎市の人口を検索したときに一部で表示される「45万2600人」(2015年)と一致していた。 出品者は「Amagasaki」と記され、商品説明の欄には「先日から尼崎で使用しているUSBメモリです。パスワードをかけたまま忘れてしまい、中を開くことができないのでお譲りします」などと記載されていた。(山岸洋介)
JR西日本は21日までに、乗務時間の勘違いや宿直勤務で仮眠を取った際の寝過ごしといったミスが運行の遅れなどにつながった場合、その分を欠勤扱いとし、処分の対象にしてきた運用の見直しを決めた。3月から適用する。故意と認められるものは従来通りの扱いとする。 この運用を巡っては、50代男性運転士がJR岡山駅のホームで回送列車を待つ場所を間違え、発車が遅れた1分間分の賃金など56円が支払われないのは不当として、未払い分と慰謝料など計約220万円を求めて昨年3月に岡山地裁へ提訴し、今月21日に結審。JR西は同日、運転士側へ、未払い賃金分とその遅延損害金のみを支払う内容で和解を提案した。 JR西によると、これまでの運用で同様のケースは「労働時間として取り扱わない」とした上で、「処分およびマイナス評価の検討対象とする」としていた。同社は、運用の見直しは以前から検討していたとして、訴訟の影響を否定している。
伊丹労働基準監督署(兵庫県伊丹市)から是正勧告を受けながら改善しなかったことについて、「パティシエ エス コヤマ」の広報室は「代表の小山進は当初、是正勧告を受けたことを知らなかった」と説明した。 同社によると、2018年1月に勧告を受けた際は、当時の管理本部の部長が対応。小山氏は報告を受けていなかったといい、広報室は「部長が是正報告書に小山の印鑑を押して労基署に提出したとみられる」と説明。部長は19年に退職しており、勧告の事実は他の社員も知らなかったという。 21年1月に再び勧告を受けた際には、現管理本部次長が対応。同監督署が来たことは小山氏に伝えたが、「小山は勧告を受けたことを知らなかった。社員の勧告に対する認識が浅かった」とした。長時間労働については「社員は『学びたい』と来てくれ、会社としてもしっかり技術を身につけてほしいと思っており、そこがかみ合っていると考えていた。だが、法律の範囲
兵庫県尼崎市保健所の幹部が2019年、同保健所に所属するバイセクシュアル(両性愛者)の指向がある30代の男性職員に対し、「不快に思う市民がいる」との市民団体の指摘があったとして、「性的指向を市民に明かすこと(カミングアウト)は公務員として不適切」と指導していたことが、同市や関係者への取材で分かった。男性は「社会の無理解を行政が容認した形でショックだった」として依願退職していた。(竹本拓也) 尼崎市は阪神間の6市1町と足並みをそろえて、LGBTなど性的マイノリティー(少数者)のカップルを婚姻に相当する関係と公認する「パートナーシップ宣誓制度」を導入。同市が組織として権利擁護を掲げる中、退職した男性への対応を疑問視する声が内部からも出ている。 関係者らによると、19年秋、保健所の幹部宛てに市民団体から文書が届いた。名前は伏せられていたが男性と特定できる形で、男性が担当する公務に不満を示し、「性
約30戸が並ぶ神戸市北区の住宅地に、車で出入りできる唯一の橋が突然封鎖され、警察官が出動する事態がたびたび起きている。50年近く公共物という認識で使われてきたが、最近になって「私(し)橋(きょう)」であることが判明。所有者は老朽化のため「維持管理費がかかる」として住民に購入を求め、住民は市への移管を提案するが、主張は平行線をたどっている。(小谷千穂) 2019年12月末の午前10時ごろ、神戸市北区山田町小部。有馬街道(国道428号)に沿う天王谷川にかかる1本の橋の上に突然、鉄パイプや土のう、ドラム缶が置かれた。進入禁止の標識の紙が添えられ、張り紙には所有者の名で「維持管理費等のご協力を得られない為、住民の皆さまの安全を確保する」と書かれていた。 橋の東側の住宅地の住民にとって、他に車で地域外に出る道はない。住民らは警察に通報し、所有者に申し入れた末、約1時間後に封鎖が解かれた。以降も、20
兵庫県福崎町田口の山中で行方不明者の捜索中に失踪した県警の警察犬「クレバ号」(2歳、オス)が27日午前、同じ山中で見つかり、無事保護された。犬にけがはなく元気で、けが人もいないという。 クレバ号は25日午後1時半ごろ、同町田口の「七種山」で、鑑識課員が持っていた約5メートルのリード(引き綱)を振り切って失踪。日没までに見つからず、県警が連日捜索していた。 鑑識課によると、27日午前9時40分ごろ、同課員が失踪場所から南西約100メートルの地点で、木にリードが絡まり動けなくなっている状態のクレバ号を発見。うなっていたため、ツナ入りのパンと魚肉ソーセージを与えて落ち着かせたという。 クレバ号は今年1月に現場デビュー。これまでに行方不明者を4回発見するなど優秀な働きを見せていたという。県警は「業務中の警察犬が逃げ出したのは、記録がある中で初めてのケース」とし、「今後の業務や訓練などについてはまだ
神戸・ポートアイランドのスーパーコンピューター(スパコン)が「京(けい)」から「富岳(ふがく)」に代替わりしたのに伴い、ポートライナーの最寄り駅「京コンピュータ前駅」の名称を変更する方針を関係機関が固めたことが、25日までに分かった。新しい駅名はスパコンと一線を画した恒久的なものにし、副駅名として「富岳」を含めることを検討しているという。駅名変更には交通系ICカードのシステム改修などが必要で、実際に変更されるのは、早くても来年春以降となる見込み。(霍見真一郎) ポートライナーを運行する神戸市の外郭団体・神戸新交通(同市中央区)と市が調整を進めている。同駅は2006年、神戸空港開港に合わせポートライナーが延伸されたのに伴い、「ポートアイランド南駅」として開設。「京」が一部稼働した11年、現駅名に改称された。京は昨年運用を停止し、21年度に富岳の本格運用が始まる予定。 関係者によると、神戸新交
川崎重工業(神戸市中央区)は30日、25年ぶりに建造した高速旅客船ジェットフォイル(JF)を、発注元の東海汽船(東京)に引き渡す。主に本土と離島を結ぶ航路に使われるが、需要が限定されるため、今回の建造まで四半世紀の空白が生じた。中韓勢との受注競争が激しく、川重は国内建造を高付加価値の特殊船などに特化。JFもその一環で、再開ではさまざまな技術上の困難を克服した。引き渡しを前に、復活への舞台裏を関係者に聞いた。(長尾亮太) 川重は1987年、開発元の米ボーイングからJFの製造販売権を取得。95年までに15隻を建造し、離島航路の需要を満たしたため建造を止めていた。しかし2005年前後から、老齢船の更新に備えて運航各社から建造再開を望む声が上がった。 「船体が小さいのでどんな港にも着岸しやすく、荒波でも安定して進める高速船はJFしかない」(佐渡汽船の担当者)。建造技術や部品調達網を保持したい川重も
新型コロナウイルスの感染拡大により、聞かない日はない「PCR検査」。これまでは保健所から依頼された地方衛生研究所などが検査を行ってきた。尼崎市立衛生研究所(兵庫県尼崎市南塚口町4)もその一つ。17日午前0時時点で66件の検査を行い、阪神間の患者4人の陽性を確定した。まだ陽性が出ていなかった6日に検査手順について取材した。 公益財団法人尼崎健康医療財団運営のビル「ハーティ21」。JR塚口駅から徒歩十数分。下層階にプールやスポーツジム、各種検診エリアなどがあり、市立衛生研究所は5階にある。 研究所は1966年設立で、93年にこの地に。デング熱や風疹などの感染症、食中毒や河川水質汚濁…。普段から多岐にわたる検査を三つの部署が分担する。 新型コロナの検査を担うのは「感染症制御担当」。検査にあたる職員は基本3人で、この1カ月あまり、いつ来るか分からない市保健所からの依頼に24時間対応してきた。 ■
神戸市立東須磨小学校(同市須磨区)の教員間暴行・暴言問題で、加害教員4人のうち40代女性教員から暴行を受けたと訴えている男子児童と保護者が、神戸新聞社の取材に応じた。現在5年生の男児は3年生だった2017年度、当時の担任の女性教員から座っていたいすをいきなり引かれ、勢いで後ろの机に頭をぶつけるなどしたという。男児は落ち込み、「その時は学校に行くのが嫌になった」と振り返る。 男児と保護者によると、この女性教員は17年度の3学期、男児が音楽の授業中に教科書を忘れたことに怒り、いすをいきなり引いた上、頭をぶつけた男児の胸ぐらをつかんで立たせたという。さらに、男児は給食当番の時に行動が遅いとして体を強く押され、近くの棚で頭を打ったと訴える。 保護者が学校側に抗議すると、いすをいきなり引いたことについては認めたといい、現在の仁王美貴校長らによる9日の記者会見でも明らかになった。 男児は、女性教員が他
兵庫県姫路市は7日、市役所本庁舎で冷房時の室内温度を25度に設定した7~8月、総残業時間が14・3%減少したと発表した。清元秀泰市長が定例会見で明らかにした。職員アンケートでも85%が「業務効率が向上した」と回答。働き方改革への効果があったとして来夏も実証実験を続けるという。 環境省は冷房時の室温目安を28度とし、全国の自治体も準じている。姫路市は「室温が25度から28度に上がると作業効率が6%低下する」との専門家の分析を基に、7月16日~8月31日、室温を25度にして職員の労働環境への影響を調べた。 同市人事課によると、前年7~8月との比較で職員1人当たりの月平均残業時間が21・6時間から18・7時間に減った。業務効率を選択肢で尋ねたアンケートでも、「とても向上した」と「少し向上した」とで計85%を占めた。 光熱費は前年から約7万円増えたが、残業時間減少で人件費は約4千万円削減された。清
生活協同組合コープこうべ(神戸市東灘区)は2日までに、消費税増税で導入されたキャッシュレス決済のポイント還元制度に関し、経済産業省に申請していた加盟店登録が認められなかったと明らかにした。 同制度は中小店舗や個人商店、コンビニなどが対象で、クレジットカードや電子マネーで買い物をすれば、5~2%のポイントが還元される。来年6月末までの期間限定で、還元分は国が負担する。 小売業の対象は「資本金5千万円以下、または従業員50人以下の企業および個人事業主」。ただし「消費生活協同組合などの各種組合は補助対象とする」とされている。 このため、コープこうべは今年春ごろから一連の手続きを開始。一部の店舗情報誌に、オリジナル電子マネー「コピカ」について「5%還元の対象です。認可が下り次第開始となります」と告知していた。 ところが先月30日に不認可の通知が届き、「中小企業を支援するという目的に沿わない」との趣
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