業務成績は申し分ないのに、いまひとつ上司の受けが良くない人もいれば、それほど仕事ができるわけでもないのに、なぜか上司からの覚えだけはやたらとめでたい人もいる。 どこの職場でもありそうなことだが、配置転換のある大企業ならともかく、社長ひとりで何でも決めている中小企業での話となるとこれは厄介だ。いかに仕事ができようと社長との折り合いが悪ければ、その社員は一生社内では浮かばれない。 こうなってしまったら、「ウマが合わないんだから」と見切りを付け、さっさと転職するほうがいい場合が多い。だが仮に次の転職先も中小企業であるなら、辞表を出す前に一度、旧約聖書「諸篇」所収の一編『ヨブ記』を読んでおくべきかもしれない。中小企業の経営者は程度の差こそあっても皆ワンマン。建前とは裏腹な彼らの本音を知っておかないと、次の職場でも同じトラブルを抱えかねないからだ。 ヨブのいわれなき受難 『ヨブ記』のあらすじはこうだ