各地で地震が相次いでいる。長野県中部と岐阜県飛驒地方の県境付近では、4月22日から今月3日までに震度1以上が計172回も観測された。長野、岐阜県境では過去にも一定期間にわたって発生が続く「群発地震」があり、研究者らが注視している。茨城県や鹿児島県などでも目立っているが、各地で何が起きているのか。【三股智子】 5月19日午後1時12分、長野、岐阜両県の県境に広がる北アルプスの玄関口・上高地を大きな揺れが襲った。山小屋の岳沢小屋で責任者を務める栗原祐樹さん(37)が沢を見上げると「ドドドー」という音がし、雪崩や落石を目にした。 岐阜地方気象台によると、この地域では4月22日の午前2時26分から地震が続いている。5月31日までに観測された震度1以上の揺れは169回。京都大防災研究所なども約15カ所に地震計を設置し観測しているが、当初の約1カ月間で体に感じない揺れを含めた地震は9000回以上に達し