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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (3,064)

  • 渡り鳥をナビゲートする「体内コンパス」の正体が明らかに

    <渡り鳥のメカニズムを解明するヒントとなりそうな研究成果が、相次いで発表されている> なぜ、渡り鳥は、毎年、一定の時期に、長い距離をはるばる移動し、決まった場所にきちんと降り立つことができるのだろうか。 この謎を解き明かすヒントとなりそうな研究成果が、このところ、相次いで発表されている。 鳥の網膜にある青色光受容体が磁場を感知? スウェーデンのルンド大学の研究プロジェクトは、2018年3月、キンカチョウに関する研究成果を英国王立協会の学術誌「ジャーナル・オブ・ソサエティ・インターフェイス」に発表した。 また、2018年1月には、ドイツのカール・フォン・オシエツキー大学オルデンブルグの研究プロジェクトによるヨーロッパコマドリの研究論文が学術誌「カンレントバイオロジー」に掲載されている。 これらの研究プロジェクトは、いずれも、鳥の網膜に「Cry4」と呼ばれる青色光受容体「クリプトクロム」の一種

    渡り鳥をナビゲートする「体内コンパス」の正体が明らかに
  • 【中朝首脳会談】習近平が金正恩に贈ったゴージャス過ぎる品々

    中国メディアは報じなかったが北朝鮮が得意気に報じてわかった国連制裁決議違反の贅沢な贈り物。その推定価値たるや!> 歴史的な電撃訪中を果たした北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長は、前より資産家になって帰国した。国連の対北朝鮮制裁決議でもう買えなくなったような贅沢品も含め、中国の習近平国家主席が山ほどお土産を持たせてくれたからだ。 3月25日からの訪中は、表向きは「非公式訪問」だったが、中国はレッドカーペットで金夫を歓待し、盛大な晩餐会でもてなすなど、国賓並みの扱いだった。 「首脳会談後、習主席夫は金正恩同志に誠意あふれる贈り物をした」と北朝鮮国営の朝鮮中央テレビ(KCTV)は伝えた。 中国メディアが贈り物に言及しなかったのに対し、KCTVは金がプレゼントを称賛する1分ほどの映像を放送した。 放送では、習と金が贈り物の大型花瓶を愛でた後、金夫がテーブルに並んだ品々を見て回る姿が

    【中朝首脳会談】習近平が金正恩に贈ったゴージャス過ぎる品々
  • ロシア、トルコ、イランが(アメリカ抜きで)決めるシリアの運命

    左からイランのロウハニ大統領、ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領(写真は2017年11月22日、3カ国首脳会談で) Mikhail Metzel/ REUTERS <トランプの対シリア政策は二転三転し、アメリカの存在感がなくなりかけているのを機に、3カ国はシリアを「山分け」しようとしている> ロシア、トルコ、イランの首脳らは、4月4日(水)にトルコの首都アンカラで一堂に会し、シリアの将来を協議、7年も続いた血なまぐさい内戦にけりをつける方法について話し合う。だがアメリカをはじめとする西側諸国は出席していない。 トルコの関係者によると、話し合いの中心は、シリアの新憲法の起草と、緊張緩和のための「安全地帯」の設定になるだろう。 この3カ国はすべて、現在進行中の戦争とシリアの未来に大きな利害関係がある。3つの地域の大国が協力すれば、これまで約50万人の死者を出した内戦が沈静化する可

    ロシア、トルコ、イランが(アメリカ抜きで)決めるシリアの運命
  • 火災で暴かれたロシア官僚の病的な習性

    ロシア官僚が許しを請うべき相手は犠牲者でも市民でもなく最高指導者だ(3月27日、ケメレボの火災現場を訪れたプーチン大統領) Alexei Druzhinin -REUTERS <キラキラしたショッピングモールを一瞬にして地獄に変えた火災と64人の犠牲、その主犯たる官僚主義の醜さは、すべてのロシア人にとって他人事ではなかった> 3月最後の週は、いろいろな意味でロシアにとって悲惨な週だった。西シベリアの炭鉱町ケメロボで起きたショッピングモール火災(子供41人を含む64人が死亡)は、来なら防ぐことのできた悲劇であり、ロシア人に大きなショックを与えた。 地元の高官たちが、中央から飛んできた怒れる最高指導者、ウラジーミル・プーチン大統領の前で震え上がる様子はまさに情けないの一言だった。 国際的には、イギリスで元スパイへの毒殺未遂事件を起こしたとしてロシア政府は指弾され、欧米諸国と外交官を追放し合う

    火災で暴かれたロシア官僚の病的な習性
  • 中朝首脳会談を両者の表情から読み解く

    訪中した北朝鮮要人はやはり金正恩だった。会談中、金正恩がメモを取っていたことと習近平の最大級の笑顔の演出、そして宴会で夫人を習近平に紹介する際の金正恩の緊張した表情などから何が読み取れるかを考察する。 金正恩委員長は会談中、メモを取っていた 3月26日に行われた習近平国家主席と金正恩委員長(以下敬称略)との首脳会談において、最も驚いたのは、金正恩が必死にメモを取っていたことだった。 習近平が話をしている間は、中国語が分からないと思うのだが、それでもしっかり習近平の顔を見つめ、通訳が朝鮮語に通訳し始めると、必死になってメモを取る。 首脳会談ではあり得ない姿だ。北朝鮮においては、さらにあり得ないことだろう。 これは金正恩が習近平に対して、如何に敬意を表そうとしているかの何よりの証左(あるいは演出?)だと思われる。 「私はあなた様の生徒です」 「あなた様が兄貴分で、私はあなた様の弟分に過ぎません

    中朝首脳会談を両者の表情から読み解く
  • 中朝首脳会談から見る非核化問題──機密解除された外交文書から

    中朝首脳会談の中で最も注目されるのは北朝鮮の非核化問題だ。習近平と金正恩の非核化に関する発言と中朝両国における報道、および30日に機密解除された外交文書から読み解く(李英和教授のご協力を得た)。 習近平と金正恩の発言と報道 26日に北京の人民大会堂で行なわれた習近平国家主席と金正恩委員長との間の中朝首脳会談で、北朝鮮の非核化問題に関して、両者がどのように発言したのかを、断片的だが先ず拾ってみよう(敬称略)。 金正恩: 「金日成(キム・イルソン)主席と金正日(キム・ジョンイル)総書記の遺訓に基づき、半島の非核化の実現に尽力することは、われわれの終始変わらぬ立場である」 「南朝鮮(韓国)とアメリカが、われわれの努力に善意で応じ、平和的かつ安定的な雰囲気を作り、和平実現のために歩調を合わせた措置を講じるならば、半島の非核化の問題は解決されうる」 習近平: 「朝鮮半島情勢に前向きな変化がある。北朝

    中朝首脳会談から見る非核化問題──機密解除された外交文書から
  • ワシントン・ポストの女性社主が小型ヘリに乗り、戦場を視察した

    <スピルバーグ監督作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は、ベトナム戦争期のワシントン・ポスト社主キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドレーを描く物語。その前日譚ともいえる「ブラッドレー起用」までの経緯をグラハムの自伝から抜粋(第2回)> 3月30日公開のスティーブン・スピルバーグ監督作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は、リズ・ハンナが脚/製作を担当。彼女が作の脚を書くきっかけは、ワシントン・ポスト社の社主キャサリン・グラハムの自伝『キャサリン・グラハム わが人生』(97年刊行、小野善邦訳、CCCメディアハウス)を読んだことだった。 ベトナム戦争の「暗部」にまつわる機密文書をワシントン・ポストがどう報じ、米政府と戦っていったのか。スピルバーグの映画では、主役の2人、キャサリン・グラハムをメリル・ストリープが、編集主幹ベン・ブラッドレーをトム・ハンクスが演じる。 ここ

    ワシントン・ポストの女性社主が小型ヘリに乗り、戦場を視察した
  • 日本政府はなぜ中朝首脳会談を予見できなかったのか

    政府は訪中したのが金正恩だと予見できなかったようだ。しかし中朝関係を中韓国交樹立時に遡れば、予見は容易だったはずだ。実は金正恩の訪中時期の可能性は3月21日から末日までの10日間と、ピンポイント的だった。 中韓国交樹立以来の中朝関係 1991年12月にソ連が崩壊するまで、北朝鮮は中ソ対立の間で漁夫の利を得ていた。ところがソ連が崩壊すると主たる後ろ盾を失ったので、中国に経済支援を求めようとした。 ところがその中国が92年に、北朝鮮にとっての目の前の敵国である韓国と国交を樹立してしまったのだ。朝鮮戦争はまだ終わっていない。休戦協定があるだけだ。しかも休戦協定第4条第60節には「締結後3ヵ月以内にいかなる他国の軍隊も南北朝鮮から撤退しなければならない」と書いてあるが、在韓米軍はいまだに撤退していない。 だから北朝鮮としては、米韓は休戦協定に違反しただけでなく、まだ交戦中であるという強い認識を

    日本政府はなぜ中朝首脳会談を予見できなかったのか
  • 天皇と謁見した女性経営者グラハム(ペンタゴン・ペーパーズ前日譚)

    映画では名優メリル・ストリープがキャサリン・グラハムを演じた ©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC. <スピルバーグ監督作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は、ワシントン・ポスト社主キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドレーを描く物語。その前日譚ともいえる「ブラッドレー起用」までの経緯をグラハムの自伝から抜粋する> スティーブン・スピルバーグ監督による話題作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』が3月30日に公開される。脚/製作はリズ・ハンナ。彼女が作の脚を書くきっかけは、自伝『キャサリン・グラハム わが人生』(97年刊行、小野善邦訳、CCCメディアハウス)を読んだことだった。 キャサリン・グラハムは、ワシントン・ポスト社の社主であったユージン・メイヤー

    天皇と謁見した女性経営者グラハム(ペンタゴン・ペーパーズ前日譚)
  • 史上最悪の「スーパー淋病」にイギリス人男性が初感染、東南アジアで

    <抗生物質の効かない淋病が世界で急増。対応が追い付かず、制御不能になる恐れも> 東南アジアで女性と性行為をしたイギリス人男性が、既存の抗生物質が効かない史上最悪の「スーパー淋病」に感染していたことが明らかになった。 イングランド公衆衛生当局によれば、男性の症例は、淋病の治療に最も有効とされる2種類の抗生物質が効かなかった初めてのケース。英BBCニュースが報じた。男性はイギリス国内にもパートナーがいたが、淋菌に感染したのは今年初めに東南アジアで別の女性と性行為をした時、と当局はみている。 淋病の治療では、アジスロマイシンとセフトリアキソン、という2種類の抗生物質を併用する。だが今回はそれが効かなかった。淋病はイギリスで2番目に多い性感染症だ。 淋病は避妊具なしの性行為や、オーラルセックス、アナルセックスによって感染するほか、感染した相手の性器に触れただけでうつることもある。人に自覚症状がな

    史上最悪の「スーパー淋病」にイギリス人男性が初感染、東南アジアで
  • 中国の空母と潜水艦、艦隊40隻従え南シナ海で演習 米国などへ示威行為か

    3月27日、中国海軍の空母打撃群が今週、南シナ海の海南島沖で大規模な軍事演習を行っていることが、ロイターが入手した衛星画像から明らかとなった。26日撮影。プラネット・ラボ提供(2018年 ロイター) 中国海軍の空母打撃群が今週、南シナ海の海南島沖で大規模な軍事演習を行っていることが、ロイターが入手した衛星画像から明らかとなった。 プラネット・ラボ提供の画像から、中国の空母打撃群が極めて重要な通商航路を進航しているのが確認された。中国海軍は毎年恒例の軍事演習の一環だとしている。 台湾の防衛当局によると、中国海軍の空母「遼寧」艦隊は先週、台湾海峡を横断した。 26日に撮影された画像は、少なくとも艦艇40隻と遼寧を囲む潜水艦を映し出しているとみられる。中国が自国の海軍力を大々的に誇示する異例な行動だと一部の専門家は指摘する。 戦闘機を搭載した空母打撃群は潜水艦に先導されているように見える。編隊を

    中国の空母と潜水艦、艦隊40隻従え南シナ海で演習 米国などへ示威行為か
  • 金正恩が習近平の前で大人しくなった...「必死のメモ」と強ばった笑顔

    北朝鮮国内では傍若無人な振る舞いを見せる金正恩だが、習近平の前では懸命にメモ書きするなど相当なプレッシャーを感じていた様子> 北朝鮮の金正恩党委員長が25日から電撃的に中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。金正恩氏にとっては2011年に北朝鮮の最高指導者に就任してから、初の外遊となる。それだけでなく、ここ数年間は中朝関係が冷え込んでいたこともあり、金正恩氏と習近平氏がどのように接したのか注目された。 28日には、中国中央電視台(CCTV)が中朝首脳会談の様子を報じた。そこからは、金正恩氏が今まで見せたことのない表情を見ることができた。 処刑前の動画を公開 金正恩氏は、これまで頻繁に現地指導で地方を訪れている。27歳という若さで北朝鮮のトップになっただけに、精力的な公開活動で「北朝鮮の最高指導者」という立場を国内外にアピールしたいのだろう。その意気込みが強すぎるせいか、いささか傍若無人な

    金正恩が習近平の前で大人しくなった...「必死のメモ」と強ばった笑顔
  • トランプに「ノー」と言えない安倍首相 森友問題の火消しに外交は有効か?

    安倍首相が、「友人」のトランプ大統領に強く出られない理由とは?(写真:Kim Kyung-Hoon/ロイター) 1年半の間、安倍晋三首相は、ドナルド・トランプ米大統領との親密な関係を構築することに成功してきた。安倍首相は、先の読めない大統領と、世界のリーダーの中で最も確固たる友人関係を築くことへの批判も、ものともしてこなかった。 しかし、この戦略が正念場を迎えている。貿易や北朝鮮問題といった複数の面で、トランプ大統領は日の国益に直接負の影響を及ぼすような措置を進めているからだ。日が支援しているイランの核問題から撤退する決定を5月半ばに行うことや、日に米国との二国間自由貿易協定締結の交渉を強く迫る姿勢を示すなど、今後もさらに行動が「悪化」する可能性がある。 トランプ大統領とうまくやるためには 現在、安倍首相が直面している問題は、トランプ大統領に対して、1980年代に出版された有名な書籍

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  • アメリカとトルコが危険地帯シリアで激突寸前

    クルド人勢力から奪還した地区にトルコ国旗が掲げられる(3月15日、シリア北部アフリン) Hali Fidan-Anadolu Agency/GETTY IMAGES <米軍が支援するクルド人を攻撃したエルドアン――それでも両国が引くに引けない複雑な事情> 世界有数の危険地帯シリアで、アメリカとトルコが激突寸前となっている。1月20日にトルコがシリアに越境し、米軍が支援するシリアのクルド民兵組織YPG(人民防衛隊)に攻撃を仕掛けたからだ。 中東安定化のためには米・トルコ両国の協力が必要だ。アメリカとたもとを分かてばトルコのエルドアン政権は独裁化を強め、NATOで結ばれたトルコと欧米との同盟は終わるだろう。 両国はシリアで利害衝突に直面している。アメリカがYPGを支持するのは正しい。米軍はテロ組織ISIS(自称イスラム国)を拠点の北部ラッカから掃討するのにYPGに頼り切りだったからだ。同時に、

    アメリカとトルコが危険地帯シリアで激突寸前
  • 金正恩氏、北京電撃訪問を読み解く──中国政府高官との徹夜の闘い

    3月26日、金正恩氏が北京を電撃訪問したことが分かった。筆者は一日中、中国政府高官とはホットラインで確認を行なっていたが、夜9時頃判明。最大の後ろ盾である中国とよりを戻した上で、米朝会談を有利に持っていく計算だ。 「来了(来たよ)!」――中国政府高官と夜まで続いた確認作業 今月の20日前後に、中国外交部も北朝鮮担当者および中共中央対外聯絡部が北京にある北朝鮮大使館の人と会っていた事実は把握していた。 何かが起きるだろうと、必死でアンテナを張り巡らせた。 26日、2011年に金正恩の父親、故金正日総書記が最後に訪中した時に乗っていたのと同じ種類の列車が北京に着いていた。中国版ツイッターの微博(ウェイボー)が列車の姿を伝えていた。金正日のその旅は、北朝鮮の改革開放を模索する最後の旅だった。 もしかして金正恩委員長が乗っているのではないかと、中国政府高官に緊急連絡し情報を得ようとしたが、箝口令が

    金正恩氏、北京電撃訪問を読み解く──中国政府高官との徹夜の闘い
  • カタルーニャ前州首相プチデモン、ドイツで逮捕

    3月25日、スペイン東部カタルーニャ自治州のプチデモン前州政府首相が、ドイツで身柄を拘束された。写真は14日にブリュッセルで党員との会合を開く同前州政府首相(2018年 ロイター/Eric Vidal) スペイン東部カタルーニャ自治州のプチデモン前州政府首相が25日、ドイツで身柄を拘束された。 プチデモン氏は州独立の是非を問う昨年10月の住民投票後、スペイン当局から訴追されベルギーに逃亡。今回の逮捕でスペインに身柄が移されて有罪が確定すれば、禁錮25年となる可能性もある。 プチデモン氏は、23日にフィンランドを出発し、デンマークからドイツに入国。ドイツ当局は、デンマークとの国境付近でスペイン当局が出した欧州逮捕状に基づき逮捕した。 カタルーニャ独立運動の認知度を欧州で高めるために議員と会い、会合に出席する目的で22日からフィンランドを訪問していた。 同氏の身柄拘束により、カタルーニャ情勢が

    カタルーニャ前州首相プチデモン、ドイツで逮捕
  • 銃規制のためには政治から立て直す、100万人集めた米高校生の驚くべき成熟度

    銃乱射事件の悲しみをきっかけに立ち上がったマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校の生存者たち Jonathan Ernst-REUTERS <ワシントンで大規模集会を開いた銃乱射の生き残りたちは、多大な犠牲を出してもなお銃をばら撒き、登下校にさえ命の危険を感じる地域を放置してきた政治そのものを変えるという。彼らはアメリカの、そして世界の希望なのか?> 3月24日、銃規制強化を求める集会に参加しようと、80万人が首都ワシントンに集まった。全米では参加者は100万人を超えたとみられる。彼らがそこで見たものは、アメリカ政治の「転換点」とも呼べるものだった。 手作りのプラカードで彩られた「命のための行進(March for Our Lives)」は、銃規制強化を求める集会であると同時に、新たな世代の政治活動の幕開けを告げていた。 集会で演説した若者たち──ほとんどが18歳以下だった----に、皮

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  • トランプが金正恩と会ってはならない3つの理由

    <米朝首脳会談は「ゲームチェンジャー」にあらず...トランプ北朝鮮の思う壺にはまるだけの恐れが> 実に愚かな考え――16年5月、米大統領選の共和党候補指名を確実にしたドナルド・トランプ北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と「話をすることに異存はない」と発言したとき、私はそう指摘した。今に至っても、米朝首脳会談の機は熟しているとは言えない。その3つの理由を再び指摘しよう。 第1に、会談は倫理的に受け入れ難い。金は恐るべき体制の支配者だ。北朝鮮では、何万もの人が強制収容所に閉じ込められ、何百万もの人々が組織的な抑圧にあえいでいる。 72年のリチャード・ニクソン米大統領の電撃訪中と毛沢東との会談、45年の米英首脳とスターリンとのヤルタ会談という前例がある? いや、そんな比較は当てはまらない。 アメリカは第二次大戦中、ヒトラーを打ち負かすためにソ連の人的資源を必要とし、冷戦時代には極東地域などで軍事

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  • 米大学で増える孔子学院に、議会の取り締まりの網が

    コロラド州デンバーのコミュニティーカレッジで開かれている孔子学院の絵画クラス RJ Sangosti-The Denver Post/GETTY IMAGES <政治的プロパガンダに加担する外国の出先機関に「透明性」の確保を求める法案を米下院が検討中> 中国語や中国文化を教えるプログラムを実施している教育施設の孔子学院に、外国の出先機関としての登録を求める法律が、米下院で検討されている。中心になっているのは、ジョー・ウィルソン下院議員(共和党)。外国政府がアメリカの大学に資金を提供して政治的プロパガンダを行うことを取り締まろうというものだ。 この草案では、孔子学院を名指ししてはいない。しかし中国政府が出資し、アメリカの100以上の大学内に開設している孔子学院は当然、今回の法律の適用対象だ。孔子学院は最近、アメリカの大学で中国共産党がタブー視するテーマの議論を妨害するなど、学問の自由について

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  • 米朝会談と日米「安倍トラ」関係の盲点

    歴史的な米朝首脳会談に世界は沸き立つが、日米には実現までに乗り越えるべき課題が山積している> ホワイトハウスは3月8日、ドナルド・トランプ大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との直接会談に応じることを認めた。 今回の発表はワシントンでも相当の「サプライズ」だった。2月の平昌冬季五輪の前には、北朝鮮との対話を重視する韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権と圧力重視のトランプ政権が大きくい違っていることが、はたから見ても明らかになりつつあった。 そして五輪開会式に出席したマイク・ペンス副大統領が、北朝鮮から派遣された金正恩の妹の与正(ヨジョン)と一言も言葉を交わさなかったことが、トランプ政権の北朝鮮に対する強硬姿勢を示す象徴的行為として報道された。 そもそも1月末には、元国家安全保障会議(NSC)アジア部長のビクター・チャの駐韓米大使内定が取り消しになった(後任は未定)の

    米朝会談と日米「安倍トラ」関係の盲点