埼玉県産業技術総合センターは十九日、室温でも安定して使用できるマグネシウム蓄電池の開発に世界で初めて成功した、と発表した。マグネシウム蓄電池は、スマートフォンやパソコンなどで主に使われているリチウムイオン電池よりも安全で大容量化にも向くなど利点が多いが、室温では性能が一定せず実用化のめどが立っていなかった。同センターは「夢の次世代蓄電池の実用化につながる」としている。 (谷岡聖史) 同センターによると、小型機器の電池として現在主流のリチウムイオン電池は、二〇二〇年の全世界の市場規模が約一・五兆円と予測されるほど普及。だが、原料のリチウムは高価な希少金属で、水に触れると発火したり、電池容量の拡大が限界に近づいているなどの課題もある。 一方、海水や鉱物中に豊富に存在するマグネシウムは安価に調達でき、発火の危険性も少ない。しかも、リチウムイオン電池の二倍以上の大容量化が期待できる。国内外のさ