石破氏は憲法学通説と決別できるか 「安倍三選」「石破善戦」の自民党総裁選が終わり、石破氏は入閣も果たせなか った。しかし首相の有力な対抗馬としての地位は確立した。 今後も引き続き安倍首相と石破氏の動向が、注目を集めていくことになるだろう。 そのことは何を意味するのか。 石破氏は「正直・公正」を掲げた。しかし石破氏の批判者は、石破氏は原理主義 的すぎるとも評する。それはどういうことだろうか。 両者の議論が興味深い対比を見せた改憲問題を糸口に考えてみたい 安倍案と石破案の違い 安倍首相が推進する改憲案は、憲法9条の追加条項で「自衛隊」の語を挿入し、自衛隊の合憲性を確かにする、というものである。現在、自民党はこの案を標榜している。 安倍首相の特徴は、憲法学者たちとの対立関係だ。 昨年にこの改憲案を推進したい旨を表明した際、安倍首相は、多くの憲法学者が自衛隊の違憲性を信じている、だから改憲が必要だ