長野県南部の中央アルプス山麓で、写真家宮崎学さん(63)=同県駒ケ根市=が今秋、死んだニホンジカを食べるツキノワグマの撮影に成功した。木の実などを好む雑食性とされるが、シカが全国的に増え、その死肉を食べる個体が出ているとみられる。野生動物を撮影する宮崎さんは「肉食傾向が強まれば、人的被害につながる」と、冬眠明けの危険性を指摘する。 (山口登史) 宮崎さんは九月下旬、猟友会員の協力で、シカの脚にワイヤを巻き付けて捕獲する「くくりわな」近くにセンサー式の無人撮影カメラを設置。クマが、わなで衰弱死したシカを骨と皮だけになるまで食べ尽くす様子を撮った。