「真にデータを中心に据えたデジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?」。これを考察し、実現するためのアプローチを提案するのが本稿の主題である。DX、システムモダナイゼーション、マスターデータ管理(MDM)、データマネジメント、GAIA-X、データスペースなど、キーワードは多く存在し、製造業に限らずこの10年で多くの企業がデータドリブンな経営や業務改革、システム改革に挑んできた。 筆者らも製造領域のこのようなプロジェクトに数多く参画してきたが、直近の傾向として、自社のさまざまな施策を、データを起点にした取り組みとして見直す動きがある。これまでもデータ重視の姿勢は打ち出していたものの、その実態としては、従来の業務改革ありきの活動に終始しており、データ検討は後回しにされてきた。真にデータドリブンな経営・改革を目指し取り組むべきは、自社のバリューチェーン全体を、経営環境や技術の変化に応じて