刑務所護送バスの前に立ったセールスマンが、客を車内へと誘導する。鋼鉄製の檻や防弾仕様の窓、ハイテクの監視カメラシステムに、人々は感嘆の声を挙げる。この手の車両のお値段は? 58万ドルほどするらしい。 護送バスだけではない。ほかにも何百点もの刑務所製品やサービスが、ニューオーリンズで先月行われたアメリカ矯正協会(ACA)の冬季年次総会でお披露目された。主催者によれば、この総会は「刑務所関係者が集う全米最大のイベント」。期間中には数十のワークショップやパネルディスカッションが行われる一方で、展示会フロアでは刑務所をめぐる民間産業の広くて深いビジネスの世界をのぞくことができる。 【参考記事】ロシア刑務所改革、囚人には悪夢? その光景は、一般的な見本市とさほど変わらない。各企業ブースには企業ロゴがプリントされたポロシャツを着た社員が立ち、来場者にペンやトートバッグを無料配布したり、カタログを手渡し