トヨタグループの豊田中央研究所は20日、太陽光エネルギーを利用し、水とCO2のみを原料にして有機物を合成する人工光合成の実証に、世界で初めて成功したと発表した。 研究チームは、半導体と金属錯体から構成される新しいコンセプトの「CO2還元光触媒」を開発。この触媒と、水を酸化分解して電子を抽出する「光触媒」を、プロトン交換膜を介して組み合わせることで、太陽光を利用して有機物であるギ酸を合成できることを実証した。 従来の技術では、●犠牲薬と呼ばれる有機物を添加する、●太陽光には含まれない波長域の紫外線を利用する、●外部から電気エネルギーを加える、など、何らかの付加的要素が必要で、水とCO2と太陽光だけで有機物を合成することは困難とされていた。 しかし、今回の研究成果では、植物の光合成と同様に水とCO2のみを原料に、太陽光エネルギーを利用することで、継続的に有機物が合成できることを初めて実証した。