群馬4区で辛勝した福田前首相(73)は7選を決めた後、報道陣に苦戦の原因を問われ、皮肉混じりに一言いった。 歓声を上げる支援者には「いやあ、本当に心配を掛けて申し訳なかった。でもそれだけに皆さん喜んでくださって。本当にありがとう」とあいさつした。表情はこわばりがち。1年前の首相辞任や、前総裁としての責任への言及はなかった。 父赳夫氏から57年守り継いできた議席。これまでは選挙運動せずとも当選してきた。今回も無風状態と思われたが、投票日の1カ月前に民主が立てた新顔に追い込まれた。急きょ選挙区に詰め、連日10カ所以上で集会を重ねた。これまではかけたことのなかった名前入りのたすきも身につけた。選挙戦を振り返り、福田氏は言った。「皆様方の期待に応えられない、なんてことも瞬間的に考えた。そのくらい、きわどい選挙。何しろ相手が見えなかった」