1001体の千手観音像を安置する京都市東山区の国宝・三十三間堂(蓮華王院)で、堂内の板壁に増える落書きを防ぐため、壁の大部分にベニヤ板をはめ込んでいることがわかった。 窮余の策だが、寺側は事前に文化庁の許可を得ていなかった。京都府教委は、文化財保護法に触れる恐れもあるとして調査に乗り出す。 寺によると、8月上旬、千手観音像の背後にある西側の内壁と、横にあたる北側の内壁の柱の間に赤茶色に塗ったベニヤ板計33枚をはめ込んだ。くぎなどは使わず、取り外し可能という。 三十三間堂は、鎌倉時代に再建されたもので、本来はヒノキの板壁。修学旅行生らが名前などを刻んだ傷があった。特に南側内壁の落書きが多く、寺は2005年にベニヤ板4枚で覆っていたが、ほかの壁で目立つようになったという。 堂を管理する妙法院の木ノ下寂俊執事長は「落書きがあると、さらに増えるので覆うしかなかった。ただ、文化庁に申請しなか