「龍馬伝」裏主役の意外な歴史を知る 今年の大河ドラマ「龍馬伝」が、これほど面白いとは思っていませんでした。NHKが全精力を傾けたと言っていいスペシャルドラマ「坂の上の雲」の第1部の直後に始まったこともあって、そのギャップなどを心配していたのですが、杞憂に過ぎませんでした。それどころか、大河としては初めて採用したプログレッシブ撮影の効果がたぶん一番大きいのでしょう、これまでの大河とは一線を画す、独特な世界観を作り上げている感があります。 もちろん、画作りだけではありません。例えば、前回放送された坂本龍馬が勝麟太郎に出会う場面。攘夷論に染まった龍馬が勝を斬りに来たところを、勝に諌められ、一転、勝に弟子入りを志願するというのが、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」に代表されるひとつのパターンでした。ところが、この常識をあえて突っぱねて、すでに古典的な攘夷論から脱した龍馬が、自分と近い考えを持つと聞かされた