いわゆる悪玉コレステロールのLDLコレステロールが高い人は心筋梗塞(こうそく)などの心血管系の病気になりやすく、コレステロールを下げることでその確率を下げることができます。コレステロール値がすごく高かったり高血圧や糖尿病などの他のリスク因子があったりする人は治療の対象になります。生活習慣の見直しで改善しない場合は、まずはスタチンという薬による薬物療法がおこなわれることが多いです。商品名で言えば、メバロチン、リピトール、クレストールなどです。 ところが、医師から治療をすすめられても拒否する患者さんがいます。そうした患者の姿勢を危惧して、アメリカ心臓協会が発行する雑誌をはじめとした主要な心血管系の医学雑誌が、共同である論説を出しました。その論説の冒頭には、こんな架空のやりとりが紹介されています。 医師「ジョーンズさん、あなたの心臓発作に関係するリスク因子に基づけば、スタチンの内服をはじめること