1.研究概要 注意欠如多動症(ADHD)の治療薬であるモノアミン再取り込み阻害薬(メチルフェニデートやアトモキセチンなど)は、前頭前野を介した脳内モノアミンネットワークを賦活しADHD症状を軽減するとされています。fMRIをはじめとする脳機能研究によって、同薬剤の前頭前野における薬効反応が検出されておりました。 一方、同じくADHD治療薬として認可されている、α2A選択的作動薬(グアンファシン塩酸塩(GXR))のADHDに対する作用機序や脳における薬効反応は明らかではありませんでした。 今回、自治医科大学小児科学の池田尚広講師、門田行史准教授らは、国際医療福祉大学、中央大学、日立製作所との共同研究により、ADHDに対するGXRの薬効反応を世界で初めて検出しました。 同研究班は、これまで光トポグラフィー(fNIRS)を用いて、モノアミン再取り込み阻害薬の右前頭前野における頑健な薬効反応を検出