子供の虐待を防ぐため、国は児童相談所の職員を増やす方針だ。だが日本大学危機管理学部の鈴木秀洋准教授は「現場からは、新人教育に時間を取られ、職場全体の質が低下するという悲鳴が届いている。専門の国家資格を作り、配属前に取得を済ませるべきだ」と指摘する――。 相談件数は増え、児童福祉司は不足 度重なる児童虐待死事件は世論をそして国を動かし、昨年12月には「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(以下、新プラン)(平成30年12月18日児童虐待対策に関する関係府省庁連絡会議決定)が策定された。児童相談所の児童福祉司増員などについては、平成31年2月28日付で「「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(新プラン)に基づく人材確保に向けた取組について」という指針(※1)を発表し、児童相談所体制の強化などを自治体に促している。令和元年の「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」は