「名前は“インフルエンザ”ですが、今までとはまったく別物と思ってもらっていいでしょう」と田代さん。通常のインフルエンザは、鼻やのどなど局所的に感染する。しかしH5N1型は、ウイルスが肺の奥深くに入り、肺を侵す。さらに血液に入り込み、全身に広がっていく。こうして脳炎を起こしたり、心臓や肝臓、腸など、あらゆるところに病気をもたらす。 またインフルエンザには、発熱や倦怠(けんたい)感、節々の痛みといった症状がよく知られている。これはインターフェロンに代表される、細胞が生み出すたんぱく質サイトカインが、防御反応をしている表れだ。 一方、H5N1型インフルエンザの場合は、サイトカインが過剰になる“サイトカインストーム”になる。本来はウイルスから体を守るものが、反応が強過ぎるためにかえって体を痛めつけてしまうというのだ。そのため、免疫活性が低い年配者より、活性が高い若い年齢層の方が痛手が大きくなる。
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