中国社会にはどんな特徴があるのか。『中国ぎらいのための中国史』(PHP新書)を書いた紀実作家の安田峰俊さんは「中国では『宗族』と呼ばれる父系の同族集団が伝統的に強く、ときには数百年前の祖先まで意識する。そのため、日本よりも歴史に対する意識が強く、政治家やビジネスマンも当たり前のように古典文学を学ぶ」という。ライターの西谷格さんが聞いた――。(前編/全2回) 『キングダム』は大人気でも、現代中国は嫌われている ――本書については『中国ぎらいのための中国史』というタイトルが過激すぎるという声もあるようですが。 とんでもない。内閣府の調査によると現在の日本人の86.7%が中国に「親しみを感じない」そうですから、いまは日本人の圧倒的多数が「中国ぎらい」。なので、この本のタイトルは「圧倒的多数の日本人のための中国史」と同じ意味ですよ。ただ、中国が日本にとって厄介な国だからこそ、彼らの歴史を知る必要が