子どもというのは、親はどんなことを聞いても正しい答えを即座に教えてくれる、完璧な人間だと思いがちです。実は地理の成績がC(可)だったとか、道路標識の「XING」(クロッシング、「横断注意」の意味)を誤って「ジング」と読んでいたといった情けない話がバレない限り、親の威厳は揺るぎません。というわけで、子どもたちは親に、ありとあらゆる質問を投げかけてきます。 「どうして朝ごはんにミミズ型のグミを食べちゃだめなの?」 「惑星が丸いのはなぜ?」 「お父さん/お母さんはどうしてそんな顔なの?」 このように尋ねられたら、親は子どもの疑問に何とか答えようとして頭をひねるはずです。 「糖尿病になるからだよ」 「重力のせいだね」 「それは……やっぱり重力のせいなんだ」 子どもが好奇心旺盛なのはすばらしいことですし、親としてはまずは持てる知識を総動員して答えてあげるべきでしょう。でもそれにも限度があって、どこか