「SFの振興と発展」をテーマに インタビューを受ける日本SF作家クラブ会長の池澤春菜さん=2020年12月、東京・東銀座の時事通信社【時事通信社】 2020年9月、日本SF作家クラブの第20代会長に声優やエッセイストとして活躍する池澤春菜さんが就任した。その時点では「SF小説の著作を持たない初の会長」だったが、同年12月に初のSF小説「オービタル・クリスマス」を発表した。日本のSF作品を積極的に海外へ紹介する意欲を見せるなど会長として精力的に活動する池澤さんに、日本SF界の現状や課題、今後の構想などを聞いた。(インタビュアー:書評家・タニグチリウイチ) ―日本SF作家クラブとは、どんな組織なのでしょう。 もともとは親睦団体です。作家は横のつながりを持ちにくいので、作家同士が仲良くするために、小松左京さんらの呼び掛けで、西新宿の台湾料理屋さんで発足したと聞いています。それが、私の2代前の会長
