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ブックマーク / boogyman.hateblo.jp (18)

  • 話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選 - boogyman's memo

    歳末の慣例行事、年の瀬のアニメブログ企画「話数単位で選ぶ」に今年も参加。干支が一周しても、企画はつづくよ、どこまでも。企画主旨・集計はいつもお世話になっている「aninado」でぜひ。 以下、簡易コメント付きでリストアップ。 ■『お兄ちゃんはおしまい!』第1話「まひろとイケないカラダ」 脚/横手美智子 絵コンテ・演出/藤井慎吾 作画監督/今村亮 ちょっとアブノーマルな性転換モノの原作を藤井慎吾監督がアニメ化。盗撮風構図の多用、男→女への変身と画面上の意味を込めた二重”境界”のギャップ、フェティッシュでコミカル、あの驚きのエンディングへ突入する流れも初回ならでは。文句なし年度ベスト第1話。 ■『トモちゃんは女の子!』第8話「夏祭りの夜/二人の距離感」 脚/清水恵 絵コンテ/小林一三、駒宮僅 演出/塚田拓郎、駒宮僅 作画監督/駒宮僅、谷口元浩、高星佑平、中和田優斗、二宮奈那子、赤尾良太郎

    話数単位で選ぶ、2023年TVアニメ10選 - boogyman's memo
  • 話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選+京都な4本 - boogyman's memo

    歳末のアニメファン企画、年間のTVシリーズの中からベストエピソードを選出する「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」(昨今はNetflixのシリーズも含めているけれど)エントリ。参加サイトの一覧など詳細は、昨年に引き続き「aninado」でぜひ。 以下、コメント付きでリストアップ。 ■『86-エイティシックス-』第22話「シン」 脚/大野敏哉 絵コンテ・演出/石井俊匡 総作画監督/川上哲也、杉生祐一 作画監督/成川多加志、真壁誠、伊藤美奈、波部崇、小川莉奈、稲田正輝、樋口香里、安田京弘 制作進行/西原雛子 クオリティアップの為の放送延期が話題をさらったが、その甲斐あって石井俊匡演出の極北といえる最高のクライマックスにたどり着いた。画面の「余白」がドラマの「空白」を埋める、究極に近いアスペクトレシオのコントロール。作り手の真髄を見た思い。 ■『明日ちゃんのセーラー服』第7話「聴かせてください」

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  • 『ToHeart』再見 第1話「新しい朝」 - boogyman's memo

    近頃、自分の中で『ToHeart』ブームが再燃している。たまたま観返す機会があり、改めて高橋ナオヒト監督と千羽由利子作画の手腕に惚れ直している次第。TVアニメ版の特徴は、日常芝居を中心とした実写的雰囲気を打ち出し、「原作のアニメ化」から離れ、監督が云うところの「前向きなノスタルジー」に着地した点にある。そして何より、派手さを抑えた生活感重視のスタイル、大枠では「美少女アニメ」でありながら登場人物が当に存在するかのように扱う手つきは、後にブレイクを果たす京都アニメーションの作品群が持つコンセプトに近い。 とはいえ、『ToHeart』の“地味さ”は後発の作品と比べても群を抜く。その象徴的なエピソードが第1話「新しい朝」だ。原作が有名タイトルであるがゆえに「クラスの席替えだけで終わった初回放送」は予想外だったのか、ファンの間では語り草となっていて、いまにして思えば「何も起こらない日常」の究極形

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  • 話数単位で選ぶ、2021年TVアニメ10選+2 - boogyman's memo

    年末が近づくと思い出すTVアニメのエピソード選出企画、「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」のエントリ。企画参加サイトの一覧は昨年同様「aninado」でチェック。 以下、コメント付きでリストアップ。 ■『ぶらどらぶ』第4話「サラマンダーの夜」 脚・絵コンテ/押井守 演出/西久保利彦 作画監督/水野友美子、山内玲奈 『ぶらどらぶ』は一口で言うなら、「けったいなアニメ」だ。口に入れた瞬間は飲み込んでいいものか戸惑うのだけど、何度も噛んでいるうちに味わい方がわかってくる。『パト2』のセルフパロディ*1が顕著だった4話は、「物」の演出である西久保利彦をわざわざ召喚し、映画では「幻」だったワイバーン隊をここでも「物」の竜に置き換えるなど、押井守のテーマである「虚構と現実」のメタフィクションが内外で炸裂。押井ファンを待ってましたと笑顔にさせる一だった。 ■『八十亀ちゃんかんさつにっき 3さつめ

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  • 古畑か、コロンボか - boogyman's memo

    「再放送で観たドラマ」というジャンルの「海外編」があれば、『刑事コロンボ』はそのランキング上位に挙がる筆頭だろう。かくいう自分も再放送でコロンボワールドに引きずり込まれたひとりだが、きっかけとなったのは三谷幸喜脚の『古畑任三郎』だ。「倒叙」を巧みに生かしたドラマの構成、ほんの少しでも疑いを抱いたらねちっこく執拗に付きまとう刑事のキャラクター性など、何故古畑が「和製コロンボ」と呼ばれているのか、"家"の鑑賞を経て深く納得したことをよく覚えている。 いま現在も『コロンボ』の再放送*1は続いているが、今回は放送前に「刑事コロンボ 完全捜査ファイル」という特番があった。作品の魅力を様々な視点で紹介する入門編でありながら、コロンボの像が立つハンガリー・ブダペストやドイツのミステリ聖地・クリミナルハウスにカメラを向けたり、コロンボファンの有名人が思い出を披露するパートがあったりと中々侮れない内容で

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  • スタジオKAIと『スーパーカブ』インタビュー 週雑009 - boogyman's memo

  • 「若林信仕事集2」を読む - boogyman's memo

    コミックマーケット93頒布、サークル・アニメ風来坊より発行された『若林信仕事集2』。発行責任者及び編集は若林信。TVアニメ『エロマンガ先生』第8話絵コンテ集だ。独特なスタイルであるのは、コンテの上に直接フキダシを重ねて解説文を書いていることだろう。 部分的に見えづらい文字もあるが、解説とコンテを一つの誌面に収めるという取り回しの良さ(映像と見比べたり、メイキングブックとしての手軽さ)は他のコンテ集にないアドバンテージ。言うなれば「絵コンテコメンタリー」であるわけだ。特長的なアニメーター仕事、脚からの変更点、重要なシーンの演出意図などが記されており、ファンにとっては堪らない述懐が散りばめられている。 たとえばcut279*1。 ラストシーン、紗霧がカーテンに手を伸ばす前のACTION欄に書かれた「勇気を出して!!」という言葉。その解説は「ト書きでも何でもないですが気に入っています」。そ

    「若林信仕事集2」を読む - boogyman's memo
  • 話数単位で選ぶ、2019年TVアニメ10選 - boogyman's memo

    年の瀬が近づくと始まる企画、今年放送されたTVアニメの中からエピソード単位で10選ぶ、「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」。 以下、コメント付きでリストアップ。 ■『風が強く吹いている』 第23話「それは風の中に」 脚/喜安浩平 絵コンテ・演出/野村和也 作画監督/千葉崇洋、名倉智史、折井一雅、高橋英樹、鈴木明日香、森田千誉、稲吉朝子、下日紗子 松下慶子プロデューサーの担当するTVアニメを「話数単位」でいったい何選んできただろう。箱根駅伝を舞台にした作、最大の魅力は「思いをつなぐこと」に対するドラマだ。最終回はその集大成と言える。抜群の「走り」作画は言わずもがな、個人的に身を震わせてしまったのは、ハイジの父親がラジオで息子の激走の模様を聴いている場面。 父親の表情を映さず、ストップウォッチを持つ手の動きによる心理描写、次にハイジの目をアップをつなぐという憎いコンテワークだが、おそ

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  • 『バビロン』2話の演出について - boogyman's memo

    平衡感覚という言葉がある。比喩的にも使われるが、からだのバランスを敏感に察知し、それを保つ感覚のことだ。であるならば、野崎まどの同名小説をTVアニメ化した『バビロン』第2話に登場する平松絵見子こと「曲世愛」(まがせ あい)は、人の平衡感覚を失わせる能力を持った女、と言えるかもしれない。 第2話「標的」はかなり特殊なスタイルのエピソードだった。主人公である正崎善の部下・文緒厚彦が突然の自殺を遂げ、その死に疑問を持つ正崎が見つけた平松という女性。特殊と書いたのは、平松に行われる事情聴取の演出に対してだ。階段を上っているのか下りているか分からない平松の的を得ない受け答えを大胆かつ官能的に、そして意図的に「奇を衒って」描いている。 ■異なる3つの画面アスペクト比/カラースクリプト(ライティング) 「標的」を特徴付けている最も前面的な演出は、シーンに合わせたアスペクト比の変更だろう。正崎による事件

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  • 木上益治とプロレス - boogyman's memo

    詳しい素性はわからない。けれど、非の打ち所がないその実力はファンならだれでも知っている――それが木上益治という人だった。 監督を務めた『MUNTO』シリーズのDVD特典でオーディオコメンタリーに出演したり、メイキング映像に顔出しをしている以外、ほとんど露出がなく*1、京都アニメーションに来た経緯などをわずかに周辺のスタッフが話す程度で、多くは謎に包まれていた。 そこへスポットを当てたのが、「週刊女性」2019年10/22号(10/8発売)掲載の記事。専門学校時代から京都アニメーションに入社するまでの経緯を関係者に取材し、まとめたものだ。興味深い話ばかりだったが、個人的に気になったのはあにまる屋に所属していたときのプロレスに関する部分。 あにまる屋は別名“野獣屋”と呼ばれる、一風変わったアニメ会社で、毎日のように近くの寿司店で飲み会を開いていたという。 「普段は口数が少なくて黙々と仕事をする

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  • 演出メモ/『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』のフトモモ - boogyman's memo

    『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』放送終了後のあるツイートに関してのメモ。 私が担当した回の、えい君の絵コンテに、フトモモをエロく、、と2回も書いてあったのはナイショ、、 1回目はライネス 2回目は化野 — 合田浩章 (@warder2013) September 28, 2019 「えい君」とは言わずもがな、あおきえいのこと。絵コンテ回である6、13話(13話は林宏樹、加藤誠と共同)のライネスと化野の当該パートを観てみると*1。 第6話「少女とデパートとプレゼント」のフトモモは比較的抽出しやすく、足を組むライネスのシーン周りではないかと思う。しかし化野はというと…… 第13話「時計塔と日常と未来への第一歩」で登場した化野は、いつもの和服姿で控えめな露出。しかもフトモモが映っているのは引いたカメラの3カットだけ。手を膝に置いたポーズだと自然と脚のライ

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  • 演出メモ/『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』6話 - boogyman's memo

    『ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』第6話は恒例のあおきえい絵コンテ回。偶然なのか狙っているのか、TROYCAの加藤誠監督作品(『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』『やがて君になる』)にあおきえいがコンテ参加するときは決まって6話だ。パトレイバーの松井刑事なら、TROYCAのマニア向けサービスと読むかもしれない*1。 今回メモしておきたいのは、主に構図感覚。Aパートで多用されたシンメトリー、ダッチアングル、真俯瞰など左右のバランスや対角線を意識した構図が、まるで魔術的に作用していたかのような錯覚を起こさせる。「潤沢すぎて過剰な反応を呼んだ結界術式」という話の肝を画面構成でなぞらえ、見せていたわけだ。 シンメトリックな人物配置、水平・垂直を意識したカメラアングルで印象付けていく演出は、過去の「TROYCA6話」でもお馴染み。 最近よく使われている9

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  • 東京、選択、反射――『天気の子』感想 - boogyman's memo

    新海誠最新作『天気の子』は身も蓋もなく言えば、「東京」の映画だ。「東京」と「新海誠」の関係は過去の作品群を振り返っても明らか。時に憧憬として、時に焦燥として、そして交差する場所として扱われている。もしかしたら、新海誠という人を映す鏡のような場所なのかもしれない。 『天気の子』の始まり方で印象的だったのも、じつはそれだ。アバンタイトル、病室で母親の横に座る陽菜が雨に濡れた窓ガラスに映り込み、その奥には東京の街と海、雨雲が広がる。 反射/映り込みをファーストシーンに持ってくる演出は、新海作品ではお馴染みと言える。『秒速5センチメートル』や入口を同じにした『言の葉の庭』、また『雲のむこう、約束の場所』にも同様のカットがあり、いずれも「東京」を舞台に"反射"している。 そこに映っているものはそれぞれの「東京」を象徴するものといっていい。だから予告(予報)にもあった陽菜のカットがアバンで使われている

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  • 新海誠が描いてきた雨――『天気の子』公開に寄せて - boogyman's memo

    新海誠監督の最新作『天気の子』の公開がいよいよ目前まで迫っている。 予告編を見ても明らかなように『天気の子』のテーマに「雨」が深く関係しているのは間違いない。連日降り続く雨と“100%の晴れ女”というキーワード、それが世界をどんな風に動かしていくのか、封切りが待ち遠しい。 ところで、新海誠監督は「雨」に並々ならぬ思い入れを持つひとだ。その結実した形のひとつが様々な雨によって移り変わる心情を細やかに描いてみせた『言の葉の庭』であり、「雨と新海」の極北といってもいい。 では、新海誠がいつから雨を降らせてきたのかというと、古く自主制作時代からだ。 季節は春の初めでその日は雨だった。だからの彼女の髪も僕の体も重く湿り、辺りは雨のとてもいい匂いで満ちた。 1999年公開の短編アニメーション『彼女と彼女の』はこんなモノローグで始まっている。ブレてないな、と思わせるのは、ただ雨が降っている状態を描くの

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  • 話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選 - boogyman's memo

    年末恒例の企画、今年放送されたTVアニメの中からエピソード単位で10選ぶ、「話数単位で選ぶ、TVアニメ10選」。 以下、コメント付きでリストアップ。 ■ 『恋は雨上がりのように』 第12話「つゆのあとさき」 脚/赤尾でこ 絵コンテ/渡辺歩 演出/益山亮司、河野亜矢子 作画監督/加藤万由子、小磯由佳、荒尾英幸、清水慶太、西原恵利香、奥田明世、竹佳子、長原圭太、山祐子 数の監督作を抱える多忙な演出家・渡辺歩の“気”を久しぶりに見た思いがした作。渡辺演出の真骨頂は『のび太の結婚前夜』に代表されるように叙情性を持って人物の内面を描くことだ。そして、ここぞというときには労を惜しまない画作りをする。青空の反射する水溜りの上を走り出したあきら、抱き止める近藤、二人を回り込みで祝福するカメラワーク。ありえたかもしれない未来と踏み出すための約束。後には雨上がりの空の余韻がいつまでも残る。「結婚

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  • ビデオコンテの資料性――『さよならの朝に約束の花をかざろう』 - boogyman's memo

    「岡田麿里の描く絵コンテ」に興味があった。映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』は都合7人が絵コンテにクレジットされているが、個性派揃いの演出陣にあって目を引く絵コンテ/岡田麿里の存在感。いったいどんなコンテを、そもそもどんな絵を描いているのか。特装限定版にビデオコンテが収録されると知り、いちばん先にそれを見ようと思っていた。 『さよならの朝に約束の花をかざろう』はA~Gの7パートで構成されており、掴みのアクションを見せるBパートのコンテを小林寛、農場の穏やかな生活を描いたCパートを副監督の篠原俊哉が担当し、岡田麿里と縁の深い2人が前半を受け持つ形。中盤にあたるレイリアを救出しようと動くDパートには塩谷直義(レナトが暴れるシーン)、橘正紀*1が振られ、Eパートのドレイルを引き受けたのはコアディレクター・平松禎史。終盤のメザーテが戦争を仕掛けられるFパートには乱戦、出血なんでもござれの安藤

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  • 22/7「あの日の彼女たち」の演出、魅力 - boogyman's memo

    22/7「あの日の彼女たち」キャラクターPV day06 丸山あかね、day07 戸田ジュンが公開されていた。今回は詳細なスタッフ情報が掲載されており、一部で噂されていた通り、アニメーション制作はCloverWorks、監督に若林信、キャラクターデザイン・作画監督には堀口悠紀子。さらに小林恵祐、小林麻衣子、江澤京詩郎、大山神らの名前が並び、“スーパー”制作進行・梅原翔太を含め「エロマンガ先生8話組」が中心にクレジットされている。 22/7「あの日の彼女たち」day07 戸田ジュン PVで描かれているのは、レッスンの合間の一幕だったり、ファミレスで注文するメニューを悩む姿であったり、短編映画のワンシーンを切り取ったような些細な出来事。登場する人物はPVによって異なるが、基的にふたりの少女だけ。フィルムから滲み出る少女と少女の関係性、何となく伝わってくる背景。決して雄弁ではないけれど、寡黙で

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  • 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の色使いと設計 - boogyman's memo

    『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の画作りには圧倒される。風になびく髪の柔らかさ、皺の描き込み、繊細な表情芝居……TVアニメの水準はどこまで引き上げられるのか。見ているこちらが心配になってしまうほどだ。そんな高密度の画作りを支える重要な要素のひとつに色使いがある。キャラクター体のノーマル色、影色、シーンカラー(夕暮れ、室内etc)に加え、周囲の環境やオブジェクトからの照り返し、反射色を使った設計が特徴的。 この光と色の設計で思い出すのが新海誠作品だ。2007年公開の『秒速5センチメートル』の時点でハイライトと影の境目に彩度の違う色を足す試みがなされていたし、環境光、間接光を用いた反射色で塗り分け、キャラクターの輪郭線も同色の色トレスという『言の葉の庭』(2013)を忘れるわけにはいかない。風景と人物の一体感が生み出す独特の叙情性、それが新海誠の構築した手法だった。 『ヴァイオレット・エ

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