タグ

ブックマーク / febri.jp (44)

  • 第2回新潟国際アニメーション映画祭「機動戦⼠ガンダム 逆襲のシャア」上映記念 富野由悠季×出渕裕 特別対談(前編) | Febri

    2024年3月15日~20日に開催された第2回新潟国際アニメーション映画祭。映画祭2日目となる3月16日、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(以下、逆襲のシャア)』がイベント上映されることを記念し、監督の富野由悠季氏とモビルスーツデザインを手がけた出渕裕氏によるトークショーが開催された。記事では、その内容を前後編にして掲載。前編では、アニメにおける長編、短編とはどういうものかを入口にトークが行われた。 富野 まず(アニメ業界)60周年というのが、イヤなの。もうひとつイヤなのは、ここで『逆襲のシャア』を上映するというんだけど、あの作品、何年前のものか知ってる? 36年前。高畑(勲)さんの作品の上映もあるので、それよりは新しいかもしれないという言い方はできます。僕にとって高畑監督は師匠ですから。師匠と一緒に上映されるのはいいのだけれど、照れるなあと。 出渕 富野さんとこうした公式のトークをやる

    第2回新潟国際アニメーション映画祭「機動戦⼠ガンダム 逆襲のシャア」上映記念 富野由悠季×出渕裕 特別対談(前編) | Febri
  • 自分と違う存在に対する思いやりと寛容さ 監督が映画『窓ぎわのトットちゃん』に込めた思い① | Febri

    ――『窓ぎわのトットちゃん』の原作が発表されたのは1981年です。世界中で愛されるベストセラー小説ではありますが、なぜ今、このタイミングで映画化しようと思ったのでしょうか? 八鍬 じつは、僕が初めて原作を読んだのはわりと最近で『映画ドラえもん 新・のび太の日誕生』の作業を終えた2016年頃ですね。ちょうど自分が親になったこともあって、ふと「この子たちが大人になる頃、この社会はどうなってしまうんだろう?」と思ったんです。当時、海外ではシリアの内戦が激化し、国内でも虐待事件が報道されることが多くて、すごく不安でした。僕が普段、手がけている『ドラえもん』シリーズのような、王道のエンタメ作品ももちろん必要ではあるんですけど、もっと現実とリンクしていながら、明るい光が射し込むような作品を作りたいなと感じたんです。そこで原作になりそうなを手当たり次第に読んでいたときに、たまたま見つけたのが『窓ぎわ

    自分と違う存在に対する思いやりと寛容さ 監督が映画『窓ぎわのトットちゃん』に込めた思い① | Febri
  • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑥ | Febri

    ――特攻シーンの盛り上がりもですが、その前後の展開の密度もすごいです。分解していくエンジェル・ハイロゥやウッソとクロノクルの決戦など、普通だったらもう数話はかかりそうな要素を、演出でぎゅっと詰め込んでいる感があります。 山 それはもう、僕の絵コンテが下敷きにあったとしても、富野監督がまとめてくださったからです。監督がよく言う「方向性の流れで見せてしまう」という演出論があるんですね。右から左にフィルムを流すように、上手(かみて)から下手(しもて)への流れが整理されていれば、どんなに込み入った話でも成立して見える。ストーリーだけでなく、フィルムの流れで見せてしまえ、ということなんです。 ――演出できちんとコントロールできていれば、ストーリーの煩雑さは問題ではないわけですね。 山 それにも関連してくるのですが、第50話のカッティングはとても印象に残っています。というのも、2回目に怒られたのが

    山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑥ | Febri
  • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑤ | Febri

    裕介が『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』に関わった中で、第41話はシリーズで唯一、富野由悠季との連名で絵コンテが描かれた話数でもある。その経緯と、自身が「もっとも完成度が高い」と語るこのエピソードの真髄を明かしてもらった。 ――第41話「父のつくった戦場」の絵コンテは、富野監督との連名(富野監督は斧谷稔名義)でのクレジットになっています。この作品で、絵コンテが連名でクレジットされている方は他にいないのですが……。 山 それは、今言われて初めて気づきました。ただ、連名なのは当然で、僕はこの話の途中までしかコンテを描いていないんです。具体的には最初の戦闘のくだりまで描いて未完成のまま引き上げられたのですが、それに関しては僕にも多少言い分がありまして……(苦笑)。ちょうど富野監督がこの絵コンテをチェックするタイミングで、ワルシャワでの音楽収録が入ったんです。それで「ワルシャワに行く

    山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実⑤ | Febri
  • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実④ | Febri

    『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』で初めて演出を手がけた第28話に続いて、第34話では絵コンテも担当することになった山裕介。しかし、ここで初めて富野由悠季監督からカミナリを落とされることになる。その修正指示などから、富野監督がひとつひとつのシーンに込めた意図を読み解いていく。 ――富野監督の事務所での打ち合わせで、具体的な映像のスタイルについての話はあったのでしょうか? 山 絵コンテ打ちでメカや舞台設定のイメージを伝えられることはあっても、演出的にこうしろ、ああしろという具体的な見せ方の指示はほとんどなかったです。「質問があれば聞くよ」といったざっくりしたもので、あとは主に世間話でしたね(笑)。むしろコンテが上がってチェックが終わったあとのほうが印象に残っています。 ――そこから何が始まるのでしょう? 山 絵コンテを提出して数日後に「明日の昼に富野監督が決定稿を出してくれるそ

    山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実④ | Febri
  • 山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実② | Febri

    『ヤマノススメ』など数々の人気作を手がけてきたアニメ監督・山裕介が、キャリア初期に参加した『機動戦士Vガンダム(以下、Vガンダム)』の制作当時を振り返るインタビュー連載。第2回では、現場に入って直面したこれまでの作品との違いや、富野由悠季総監督から伝えられた演出方針について語ってもらった。 ――実際に第28話「大脱走」の演出を務めることになって、杉島邦久さんの描いた絵コンテを受け取ったときは、どのような印象でしたか? 山 杉島さんは前から存じ上げていましたし、関わられた作品も見ていたのですが、それでも今まで自分が処理していた絵コンテとは密度が全然違って驚かされました。まず単純に、ひとつのフレームの中に入っているものが多い。キャラクターが多く、奥にモビルスーツもいる。手前では犬が吠えている。ひとつの画面の中に、とにかくいろいろな要素が入っているんです。ほぼ同時期に関わった別の作品だと、フ

    山本裕介に聞いた 『機動戦士Vガンダム』30年目の真実② | Febri
  • 「アムロ・レイの演じかた~古谷徹の演技・人物論~」第10回(前編) | Febri

    『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイは、それまでのロボットアニメの主人公とは異なる「普通の少年」であり、戦闘に対して積極的な人物とは遠い存在と言える。そうした主人公を演じる声優に、古谷徹を選んだのはなぜか。熱血少年の代名詞といえる『巨人の星』の主人公、星飛雄馬。それを代表作とする古谷徹に普通の少年であるアムロを演じさせるというアイデアはどこからきたのだろうか。 富野 その話をする前に、古谷さんはアムロ・レイに対してどうお感じになられているのかを知りたいですね。 ――『機動戦士ガンダム』のTVシリーズでやり切った感があるというお話をしていました。 富野 なるほどね、ではまさにそういうことで、それ以上のことは一切ありません。そもそも役者が演技をするということを考えたことはありますか? ものすごく簡単なことですが、古谷さんがTVシリーズでの演技をベースにして考えておられるというのは当然のこと

    「アムロ・レイの演じかた~古谷徹の演技・人物論~」第10回(前編) | Febri
  • 「アムロ・レイの演じかた~古谷徹の演技・人物論~」第10回(後編) | Febri

    第10回 富野由悠季とアムロ・レイ 富野由悠季監督へのインタビュー3回目は、アムロ・レイを継承するとはどういうことかを聞いた。アムロを継承するということは、つまり古谷徹から声優が交代した場合、それまでの演技を古典として模倣すべきか、あるいは独自の演技論を取り入れるべきかという意味である。古谷徹以外のアムロは新しい芝居となるのか、あるいはフェイクとなるのか。 ――アムロやシャアの声が交代したとき、それはフェイクになってしまうのでしょうか? 富野 そういう考え方もあるでしょうけれども、受け手側の一般大衆というのはそれほどバカではないんですよ。もし、古谷徹や池田秀一という人が亡くなってしまったあとで、他の人がその役を演じた瞬間、アムロやシャアの人気というものは消えます。 受け手というのはある意味でとても冷たいんです。それは自分の問題ではないから「アムロじゃないじゃん。シャアじゃないよ、こんなの」

    「アムロ・レイの演じかた~古谷徹の演技・人物論~」第10回(後編) | Febri
  • 黒柳トシマサ ②監督の心境に触れた気がした『NieA_7』 | Febri

    アニメ監督・黒柳トシマサのルーツをたどるインタビュー連載の第2回では、演出の師にあたる存在であり、黒柳監督の代表作『舟を編む』にシリーズ構成として参加していた佐藤卓哉氏の監督デビュー作を取り上げる。そこから学んだ「ポエム」とは? ――2目は『NieA_7(ニア アンダーセブン)』です。こちらを選んだ理由は? 黒柳 僕が大学生になって上京したタイミングで放送が始まって、最初はたまたま見たんです。そうしたら、何かわからないけどぐっと心をつかまれてしまった。それまではジブリのような雰囲気のアニメばかりを追いかけていたのに。 ――SF要素のあるけっこうはっちゃけたコメディで、テイストがまた違いますよね。 黒柳 「予備校生」「貧乏」「なんか面白い宇宙人がいる」っていう要素でできている世界観ですからね(笑)。でも、ただハチャメチャで面白いだけのアニメかというとそうではなくて、ときどき胸がしゅんとする

    黒柳トシマサ ②監督の心境に触れた気がした『NieA_7』 | Febri
  • 結束バンドが紡ぐ“陰キャの真実”! 『ぼっち・ざ・ろっく!』メインキャスト座談会① | Febri

    ――まずは原作を読んで、どんな魅力を感じたか教えてください。 長谷川 はまじあき先生のギャグセンスが刺さりすぎて、こんなに“ひとり”の女の子……って、ややこしいですね(笑)。「後藤ひとり」という、ひとりの女の子の表情をあんなにいくつも引き出せて、キャラクターの魅力を引き立たせることがすごく素敵だと感じました。 青山 最初に「きらら作品」(※)と聞いていたのですが、「きらら作品」が持つ女の子たちのキラキラ、フワフワな感じがまったくないなと思いました。逆に、哲学書のような、今まで誰も絵や文字、マンガに落とし込んでこなかった“陰キャの真実”というものが感じられて。 長谷川 陰キャの真実(笑)。 青山 もう、最初の印象はそれでした(笑)。同時に「これを演じられる人はいるのかな?」とも思いましたね。 鈴代 4コママンガらしくサクサク読める一方で、全体を通してそれまでのストーリーを振り返ると、ひとりひ

    結束バンドが紡ぐ“陰キャの真実”! 『ぼっち・ざ・ろっく!』メインキャスト座談会① | Febri
  • メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(後編) | Febri

    好評をもって迎えられたバンド青春物語『ぼっち・ざ・ろっく!』。そのライブシーン制作の舞台裏を聞くインタビュー後編では、シリーズ後半のライブシーンを中心に作ならではの苦労、そして手応とともに、編のユニークなテイストがどこから生まれてきたのか。アニメーションプロデューサーの梅原翔太とライブディレクターの川上雄介に聞いた。 ――第8話「ぼっち・ざ・ろっく」は、斎藤監督が自らコンテを担当したエピソードですね。結束バンドが初めてのライブに挑む回ですが、川上さんは技術的なサポートなどを担当したということでしょうか? 川上 そうですね。CGの方からキャプチャーしたデータが送られてきて、そこから各アニメーターがタイミング込みで作っていくんですが、その際のデータのやり取りを担当しています。あとは光源の設定だったり、美術の発注も必要になるので、そのあたりのチェックもやっていますね。とくにこの第8話は、ライ

    メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(後編) | Febri
  • メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(中編) | Febri

    ――ここからは個々のライブシーンについて、話を聞いていきます。まずは川上さん自身がコンテ・演出を担当した第5話「飛べない魚」。ライブ出演に向けて、結束バンドがオーディションを受けるという場面ですね。 川上 このライブシーンの前半では、キャラクターの感情を丁寧に拾っていこうと考えていました。自分はそれまでハイスピードアクションや空間を使ったアクションを得意としていたのですが、次に自分がどこに挑もうかと考えたときに「感情が爆発するアクション」だなと。そこで初めて挑戦したのが『ワンダーエッグ・プライオリティ』だったんですが、初めてのことだったので、なかなかうまくできなかったところもあったんです。 ――アクション作画を追求していくなかで、今回の第5話があったわけですね。 川上 そうですね。この第5話では、自分がやりたいと思っていたアクションシーンにやっとたどり着いた感じがありました。 梅原 アクシ

    メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(中編) | Febri
  • メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(前編) | Febri

    ――今回、川上さんは「ライブディレクター」という肩書きで参加しています。これがどういう役職なのか、どんな目的でこの役職を立てたのかを、プロデューサーの梅原さんから説明していただけますか? 梅原 まずアニプレックスさんから「ライブシーンは手描きでいきたい」という意向をいただいていたんです。そうすると、モーションキャプチャーを収録したあと、手描きで作業するためのCGのガイドを出す必要があって――つまり、手描きとCG、両方の知識を持っている人が必要だったんです。そこで、早くからBlender(※3DCGアニメ制作ソフト)を作業に取り入れていた川上君に声をかけたという流れですね。 川上 自分はもともと第5話「飛べない魚」編のコンテ・演出を担当していたんですが、ライブシーンに関しては当初、斎藤監督が全話ひとりで演出したいとおっしゃっていたんです。ただ、モーションキャプチャーをやるとなると、プリプロ

    メインスタッフが語る『ぼっち・ざ・ろっく!』のライブシーン制作舞台裏(前編) | Febri
  • 藤原佳幸 ②「全力」の演出を知った 『みなみけ』 | Febri

    『GJ部』『プラスティック・メモリーズ』など、丹念な日常描写でキャラクターを掘り下げる手腕に定評のあるアニメ監督・藤原佳幸。そのルーツをたどるインタビュー連載の第2回では、美少女三姉妹のゆるい日常を描いたコメディ作品での盟友との出会いを熱く語る。 ――2目の作品は『みなみけ』です。ご自身が参加している作品ですね。 藤原 はい。アニメ業界に入ってから関わった作品の中で、仕事に対する踏み込み方や考え方が全体的に変わったタイトルということで選びました。 ――何からそこまでの影響を受けたのでしょう? 藤原 黒柳トシマサさんと出会ったことです。それまで童夢で一緒に仕事をしていてもほとんどしゃべったこともなかったのに、『みなみけ』の第4話で黒柳さんが初演出、僕が初作監(谷川政輝と共同作監、「高柳佳幸」名義)としていきなりコンビを組むことになって。黒柳さんと出会う前の自分は、アニメーションはとにかく絵

    藤原佳幸 ②「全力」の演出を知った 『みなみけ』 | Febri
  • 衝撃作『アキバ冥途戦争』の制作舞台裏 竹中信広プロデューサーインタビュー① | Febri

    ――竹中プロデューサーがこの企画を思いついたきっかけは何だったのでしょうか? 竹中 企画の発端だけでいうと13~4年前ぐらいです。メイド喫茶ブームもちょっと下火になりかけていた時期に、秋葉原で等間隔に並んでチラシを配るメイドさんを見て「この距離感に意味を持たせることができたら面白いものになる」と考えたことがありました。そのときはオシャレな映像作品をイメージしていたんですけど、時代を経て、むしろ昭和任侠ものっぽい泥臭い映像のほうが面白くなりそうだなと、イメージが変わっていった結果が現状の『アキバ冥途戦争』という感じです。 ――当時はアニメの企画を考えていた時期だったんですか? 竹中 いえ、そのときに考えていたのは遊技機の企画でした。 ――そこに任侠ものを持ってくるんですね。 竹中 常に思い描いているものとして「なんかワケわかんないけど面白いものを作りたい」というのがあって、『ゾンビランドサガ

    衝撃作『アキバ冥途戦争』の制作舞台裏 竹中信広プロデューサーインタビュー① | Febri
  • 衝撃作『アキバ冥途戦争』の制作舞台裏 監督・増井壮一インタビュー① | Febri

    ――増井監督が参加したタイミングは、企画の立ち上げから少し進んだ状況だったとのことですが、あらためて経緯を聞かせください。 増井 僕が入る前に、プロデューサー陣と脚家チームでアイデア出しやストーリーの流れをもんでいた期間が1年近くあったそうなんです。P.A.WORKSの辻(充仁)プロデューサーからお話をいただいたときには、細かいところまで書き込まれた物語の流れや企画書を提示していただいて、面白かったし、協力したいということでお受けしました。 ――最初から面白いという印象があったのですね。 増井 博打をやったり格闘技をやったり野球をやったり、毎回お題が変わるというか、1話完結のエピソードが並んでいるブラックコメディと捉えていましたけれども、そのバラエティ豊かな感じが魅力的で。あとは比企さんを始めとした脚家チームがまとめられたストーリーが緊張感があっていいんですよ。そこが面白いなと。 ――

    衝撃作『アキバ冥途戦争』の制作舞台裏 監督・増井壮一インタビュー① | Febri
  • 『リコリス・リコイル』足立慎吾が初監督作で描きたかったこと① | Febri

    ――『リコリス・リコイル』は足立さんにとって初監督作品でもありますが、どのような経緯で参加したのですか? 足立 企画自体は、僕が参加する以前からアニプレックスさん主導で動いていたみたいですよ? すでにアサウラさんのプロットがあり、そろそろ監督を探そうかということで声をかけていただきました。その時点では引き受けるかどうかは保留で、とりあえず会議に出ていろいろと意見を出していたら、そのまま流れで監督をすることになった感じですね。 ――会議に参加した時点で、世界観やキャラクターはどの程度固まっていたのでしょうか? 足立 喫茶リコリコのキャラクター5人についてはすでに設定があり、そこは名前も含めて変わっていません。逆に世界観についてはカッチリとしたものはほとんどなく、当時は「女の子で『シティーハンター』的な……」というコンセプトだったようです。表向きは喫茶店だけど、その裏では銃を片手に危険な任務に

    『リコリス・リコイル』足立慎吾が初監督作で描きたかったこと① | Febri
  • 會川昇③ 「普通」のアニメという可能性『ゴルゴ13 劇場版』 | Febri

    『鋼の錬金術師』をはじめ、「濃い」作風で数々のヒットを飛ばしてきた脚家・會川昇。そのルーツをたどる全3回のインタビュー連載のラストは、巨匠・出﨑統監督についての思いを、意外な作品を入り口に語る。アニメにとっての「普通」とは何か? ――3目は出﨑統監督が手がけた『ゴルゴ13 劇場版(以下、ゴルゴ13)』です。出﨑ファンの間でも「この一」として選ぶ人が少ない印象で、今回タイトルが挙がって驚きました。 會川 今につながる、毎週放送の30分枠の国産TVアニメシリーズが『鉄腕アトム』から始まったこともあり、SFだとかアクションだとか、いわゆるジャンルものとしての要素がない「文学」的な作品を、日のアニメはほとんど作ってこなかったと僕は思うんです。東映の長編劇場作品でも『安寿と厨子王丸(あんじゅとずしおうまる)』くらいで、あれだって動物がしゃべります。何かそういう特殊な設定を入れないとアニメとし

    會川昇③ 「普通」のアニメという可能性『ゴルゴ13 劇場版』 | Febri
  • イムガヒ副監督に聞いた『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の制作秘話① | Febri

    6月3日から全国公開されている『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』。旧作からのファンはもちろん、若い世代にも『ガンダム』の魅力を知ってもらう絶好の機会となった作の魅力や制作の舞台裏について、イムガヒ副監督にインタビューした。 ――イムガヒさんは韓国の出身ですが、ガンダムシリーズはもともと知っていたのでしょうか? イム 私が初めて見た『ガンダム』は高校生の頃に韓国に入ってきた『新機動戦記ガンダムW』だったんです。じつはその前の幼少期からロボットアニメが好きな女児だったこともあり、どこの国で作られた作品かは意識せずともサンライズの作品はかなり見ていました。とくに『魔神英雄伝ワタル』や『絶対無敵ライジンオー』『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』が大好きで、その流れで『ガンダム』も見始めたのがきっかけです。韓国でも「ガンダム」という名前は絶大な知名度がありますから、それがどういうものかはわ

    イムガヒ副監督に聞いた『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の制作秘話① | Febri
  • 原作者・古川日出男が語る 劇場アニメーション『犬王』の魅力① | Febri

    人々を熱狂させた能楽師・犬王とその友人で琵琶法師の友魚(ともな)。ふたりのポップスターを通して、表現することの意味を描き出す、唯一無二の “能楽”ミュージカル・アニメーション『犬王』。作家・古川日出男は、いかにしてこの眩(まばゆ)い物語を生み出したのか。原作小説執筆までの経緯と、犬王と友魚というバディの関係性についてひも解く。 ――『平家物語』を訳したあと、どのようなきっかけで『平家物語 犬王の巻』を書き始めたのですか? 古川 以前、世阿弥(ぜあみ)の『風姿花伝(ふうしかでん)』を読んでいるとき、解説や注釈に「犬王」という名前が出てきたんですよ。ルビも「いぬおう」と振ってある。自分は日人で歴史も知っているはずなのに、こんな名前の人物は知らなかった。どういう舞台をやったかもまったくわからない。調べてみると、まず、世阿弥は父の観阿弥(かんあみ)が亡くなってから10年ぐらいの間の記録が何も残っ

    原作者・古川日出男が語る 劇場アニメーション『犬王』の魅力① | Febri