タグ

ブックマーク / realsound.jp (376)

  • Production I.G 和田丈嗣が語る“日本アニメの現在地” 「一段上のステージに上がる時期」

    配信プラットフォームの影響でグローバルに人気が急拡大するなど日のアニメを取り巻く状況が激変していく中、アニメスタジオを運営する者たちは今何を考え、これからどう舵を取っていくのか。それを詳しく知るためのアニメスタジオの今を追う連載企画「アニメスタジオのここが知りたい!」。 第2回は、90年代から世界でその名を知られる存在となったProduction I.G(以下、I.G)の2代目代表で、WIT STUDIO(以下、WIT)代表も兼任する和田丈嗣氏に、同社の今後の展望と日アニメの現在地について話を聞いた。(杉穂高) 日アニメはもう一段上のステップに上る時期に来た ――日アニメのグローバルな人気の向上について、現段階でどうお考えでしょうか? 和田 :2024年の3月、ちょうど『君たちはどう生きるか』がアカデミー賞を獲ったという時期に、弊社所属のアニメーター・監督である安藤雅司さんと板津

    Production I.G 和田丈嗣が語る“日本アニメの現在地” 「一段上のステージに上がる時期」
  • 10-FEET TAKUMA チバユウスケへの思い「ずっと心を支える音楽」 遺作『EVE OF DESTRUCTION』に触れて

    10-FEET TAKUMA チバユウスケへの思い「ずっと心を支える音楽」 遺作『EVE OF DESTRUCTION』に触れて 10-FEET TAKUMA氏 2023年11月26日、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)やThe Birthdayとして活躍したチバユウスケさんがこの世を去った。享年55歳。世界中で大ヒットを記録した映画『THE FIRST SLAM DUNK』のオープニング主題歌「LOVE ROCKETS」を担当したことでも話題を振りまいていただけに、往年のファンはもちろん、冒頭にベースラインから始まり、ギターリフやチバユウスケさんの歌声が象徴的に使われる映画を観た人からのショックも大きかった。 そんなチバユウスケさんの死去へのロスが続いていた昨年2023年の紅白歌合戦。同じく映画『THE FIRST SLAM DUNK』

    10-FEET TAKUMA チバユウスケへの思い「ずっと心を支える音楽」 遺作『EVE OF DESTRUCTION』に触れて
  • 【新連載】アニメスタジオのここが知りたい! 色彩設計・石黒けいが語る“動画工房の色”

    ――色彩設計はキャラクターデザインの方とも相談しながらの作業になると思います。オリジナル作品である『夜のクラゲは泳げない』ではどんなお話をしたのですか? 石黒:監督から、実線の一部を色トレス(※ハイライトや影などの境界線を隣接する色に近づけてなじませること)にしたいという希望がありました。それをキャラクターデザインの谷口淳一郎さんとどこに入れたらいいかと相談して、設定していました。谷口さんとは今まで何度も一緒に仕事しているので、結構お任せしてくれます。 高梨・キム・アヌーク・めいの色彩設計画 ――キャラクター原案はイラストレーターのpopman3580さんですね。原案からどのようにアニメの色に落とし込むのでしょうか? 石黒:原案の色が薄かったり濃かったりしていた部分を統一させていく作業をしていて。竹下良平監督は濃い目の画面を作りたいという希望だったので、特に服の色の彩度をあげています。 光

    【新連載】アニメスタジオのここが知りたい! 色彩設計・石黒けいが語る“動画工房の色”
  • 玉井健二、『ガールズバンドクライ』の隠れテーマは打倒K-POP? プロジェクトを越えた、世界で勝てるバンドの可能性

    東映アニメーション×agehasprings×ユニバーサル ミュージックによるメディアミックスプロジェクト『ガールズバンドクライ』のテレビアニメが2024年4月5日より放送がスタートする。同プロジェクトから昨年デビューした5人組バンド トゲナシトゲアリのプロデュースを担当しているのが、agehaspringsの玉井健二だ。 トゲナシトゲアリは、フォーマット化されている「声優がバンドを組む」形ではなく、「バンドから始まりアニメへと発展していく」という逆の発想で企画されているため、agehaspringsが用意する高難易度の楽曲を自分のものにできるミュージシャンとしての素質があり、かつ声優としてもポテンシャルを持つメンバーが3年以上の時間をかけて集められた。 同プロジェクトを持ちかけられた当初は難色を示していたという玉井だが、どのような志しを持って参加を決意し、現在まで楽曲を手がけてきたのか。

    玉井健二、『ガールズバンドクライ』の隠れテーマは打倒K-POP? プロジェクトを越えた、世界で勝てるバンドの可能性
  • 首振りDolls、アルバム『ジェットボーイジェットガール』完成 メンバー全員で語る全曲解説インタビュー

    首振りDollsが、『DOLL! DOLL! DOLL!』 に続く、約1年半ぶりとなる新たなアルバム『ジェットボーイジェットガール』をドロップした。ナオ(Dr/Vo)の歌謡曲愛やガレージ愛をはじめ、今作でも彼らだけの個性は爆発していて、全10曲で今の首振りDollsがとてもいい空気感のなかにいることがわかる。 今回リアルサウンドでは、全曲解説インタビューを企画。3人全員による制作の背景から完成した現在まで、ひとつずつ丁寧に紐解いていく。(編集部) 原点回帰のようなアルバムになった ナオ(Dr/Vo) ――期待しているのはいつも通りなんですが、首振りDollsらしい安心感のあるアルバムですね。聴いていると、随所でニヤけてしまいます。 ナオ:ありがとうございます。よかった、そう言っていただけて。たしかに、ニヤニヤ要素は随所にありますよね。 ――ライブ会場限定で販売されていたシングルCD『PSY

    首振りDolls、アルバム『ジェットボーイジェットガール』完成 メンバー全員で語る全曲解説インタビュー
  • 『夜明けのすべて』は“身振り”の映画である 三宅唱のリズムで描き出された“宇宙”

    一つの「身振り」から 映画冒頭、小ぶりの大きさのバスロータリー広場に面した駅前の風景を、カメラがやや斜めの位置から静かに捉えている。陽の光を遮断する分厚い灰色の雲に覆われた空からは、大量の雨がしとしとと降り注いでいる。その中で、カメラの手前にあるバス停のベンチに、傘も差さずに雨水に濡れそぼりながら、スーツ姿の小柄の若い女性が一人、こちらに背を向けて座っている。カメラはカットを割り、彼女が無気力に、小脇に抱えたバッグから、汚れることも厭わずに、中身の小物をポンポンと濡れた地面に放り投げるショットを短く挿入する。 瀬尾まいこの2020年刊行の小説を原作とした、三宅唱の2年ぶりの新作長編『夜明けのすべて』が物語の冒頭から観客に示すのは、さしあたり以上のような、さまざまなモノが、どこか/誰かに届く宛先もなく、人物の手によって孤独に空中を舞う、「投げ出す」身振りである。そうした身振りは、このオープニ

    『夜明けのすべて』は“身振り”の映画である 三宅唱のリズムで描き出された“宇宙”
  • エミー賞20部門ノミネート『テッド・ラッソ』 涙と笑顔でぐちゃぐちゃになる胸熱ドラマ

    7月14日に発表された第73回プライムタイム・エミー賞(夜間時間帯に放送されたテレビ用作品から優秀作を選ぶ、テレビ版アカデミー賞)でコメディシリーズ部門の作品賞、主演男優賞(ジェイソン・サダイキス)、助演女優賞、助演男優賞、監督賞、脚賞など主要20部門にノミネート。放送(配信)初年度作品として『Glee/グリー』(2010年)の19部門を凌ぐ史上最多部門ノミネートを記録している。また、翌日に発表された米テレビ批評家協会賞でも最多の5部門でノミネートされている。 大学のアメリカンフットボールのコーチ、テッド・ラッソ(ジェイソン・サダイキス)が新天地イギリスでプレミアリーグのサッカーチームの監督に就任するところから物語は始まる。アメフトではチームを優勝に導いた手腕を持つテッドだが、サッカーは完全な門外漢。共通するのは“フットボール”という英米で異なるスポーツを指す言葉だけ……。彼を抜擢したレ

    エミー賞20部門ノミネート『テッド・ラッソ』 涙と笑顔でぐちゃぐちゃになる胸熱ドラマ
  • ティモシー・シャラメはなぜ特別? 『DUNE/デューン』でも発揮した他者を輝かせる才能

    「あの少女たちと、誘われるような深い関係を知ることで、彼(ローリー)は成長することができたんだ」(ティモシー・シャラメ)(※1) 大傑作『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(グレタ・ガーウィグ監督/2019年)で演じたローリーという青年のキャラクターについて、ティモシー・シャラメは、ジョー(シアーシャ・ローナン)をはじめとする女性たちからの影響の深さに触れている。また、ローリーというキャラクターが、『若草物語』の書かれた時代に一般的な男性が持っていたようなジェンダー規範から著しく外れていることに関しても、「(ローリーが)若いうちに内面の美しい女性たちに出会えたからかもしれない」と分析している(※2)。 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 今年のカンヌ国際映画祭で、ティルダ・スウィントンの肩に甘えるようにもたれかかるティモシー・シャラメの愛されぶりがフォトコール

    ティモシー・シャラメはなぜ特別? 『DUNE/デューン』でも発揮した他者を輝かせる才能
  • ヴィルヌーヴ版『DUNE/デューン』の本質的な評価を考察 真価が問われるのはパート2?

    時代を超えて多くのクリエイターのイマジネーションの源泉となってきた、SF小説『デューン 砂の惑星』。何度も映像化が試みられてきた作品だが、その壮大なスケールを誇る長大な物語は、取り組んだ数々の映像製作者たちに様々な苦難と失敗を経験させてきた。そんな試練が立ちはだかる高い峰に今回あえて挑むのは、『メッセージ』 (2016年)、『ブレードランナー 2049』(2017年)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督だ。 新たに実写映画化された『DUNE/デューン 砂の惑星』の出来は、果たしてどうだったのだろうか。絶賛する声と、相反して否定的な声も聞かれる作……。『デューン』という題材の深淵さとともに、その質的な評価について、ここでは考えていきたい。 舞台となるのは、人の精神に作用する希少なスパイスを産出する、砂に覆われた惑星アラキス。宇宙の星々を支配し、一つの巨大な封建国家となった人類は、皇家や公家たちの終

    ヴィルヌーヴ版『DUNE/デューン』の本質的な評価を考察 真価が問われるのはパート2?
  • 『HiGH&LOW THE MOVIE』の“集団戦”はいかに生まれたか? アクション監督・大内貴仁が語る

    『HiGH&LOW THE MOVIE』の“集団戦”はいかに生まれたか? アクション監督・大内貴仁が語る 複数のメディアやエンタテインメントを巻き込み展開する一大プロジェクト『HiGH&LOW』。そのひとつ、映画『HiGH&LOW THE MOVIE』が公開中だ。同作ではドラマ版から引き続き、三代目J Soul BrothersをはじめとしたEXILE TRIBEや若手実力派俳優が一堂に会し、さまざまなチームが割拠するSWORD地区での抗争がアクションたっぷりに描かれる。作品規模の大きさもさることながら、同作注目のポイントは、日映画史に類を見ないほどアクションに特化した映画であるということだ。なぜ、あえてアクション大作なのか? 『るろうに剣心』ではアクションコーディネーターをつとめ、ドニー・イェンら世界の最前線で活躍するアクションスターと現場をともにしてきた、『HiGH&LOW THE

    『HiGH&LOW THE MOVIE』の“集団戦”はいかに生まれたか? アクション監督・大内貴仁が語る
  • 『ゴジラ-1.0』なぜ全米で大ヒット? 観客の反応から浮き彫りになるハリウッドの課題

    では11月3日から、全米では12月1日から公開された『ゴジラ-1.0』。国内では賛否両論の声が上がっている印象だが、アメリカでは大絶賛の嵐である。週末3日間(12月1日~3日)のオープニング興収(先行上映含む)が約1100万ドルを記録し、ランキング3位に躍り出た。しかし、その後も観客が増え続け、12月4日と6日にはデイリー興収1位の座に輝いている。ついには1989年公開の『子物語』を抑え、全米興収において歴代邦画実写作品1位の座に着いた。この報せは、海外でこれまで高く評価された日映画はたくさんあったのに、そんなに子映画が強かったのかという衝撃と同時に、その子にゴジラが勝ったことを意味している。なぜ、こんなにも『ゴジラ-1.0』は海外で人気なのか。 『シン・ゴジラ』はどうだった? 『ゴジラ-1.0』はそもそも公開前から話題になっていた。特に特報、そして予告が公開された時には、

    『ゴジラ-1.0』なぜ全米で大ヒット? 観客の反応から浮き彫りになるハリウッドの課題
  • 藤津亮太の「2023年 年間ベストアニメTOP10」 テレビシリーズも粒揃いの豊かな1年に

    リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2023年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに分け、アニメの場合は、2023年に日で劇場公開・放送・配信されたアニメーションから、執筆者が独自の観点で10作品をセレクトする。第14回の選者は、アニメ評論家の藤津亮太。(編集部) ・『オーバーテイク!』第8話「同じ穴のムジナたち -Y’know what makes a fast driver?-」 ・『もういっぽん』第1話「いっぽん!」 ・『呪術廻戦』第29話「玉折」 ・『TRIGUN STAMPEDE』第12話「HIGH NOON AT JULY」 ・『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』第7話「今日のライブが終わっても」 ・『柚木さんちの四兄弟。』第6話「宇多、恋の行方」 ・『天国大魔境』第8話「それぞれの選択」

    藤津亮太の「2023年 年間ベストアニメTOP10」 テレビシリーズも粒揃いの豊かな1年に
  • プロ向けのクリエイティブソフト「Affinity」が解決した“無駄な往復”とは? 開発元CEOに聞く「買い切り制」を採用する理由

    プロ向けのクリエイティブソフト「Affinity」が解決した“無駄な往復”とは? 開発元CEOに聞く「買い切り制」を採用する理由 イギリスのSerif社が開発・提供する「Affinity」は、DTPや写真編集の諸作業を助ける、プロ向けのクリエイティブソフトウェアシリーズ。ソフトはベクター画像の編集やデザイン制作の機能を揃える『Affinity Designer』、ラスター(ビットマップ)画像の編集を担う『Affinity Photo』、印刷物のページレイアウトに特化した『Affinity Publisher』の3つで構成されており、それぞれが各領域において網羅的な機能を備える。MacWindowsiPadと、複数のプラットフォームに対応しているのも嬉しいポイントだ。 今回Affinityを紹介するにあたり、ソフトの開発元であるSerif社のCEO・ Ashley Hewson氏へのイン

    プロ向けのクリエイティブソフト「Affinity」が解決した“無駄な往復”とは? 開発元CEOに聞く「買い切り制」を採用する理由
  • リドリー・スコット監督による“革命”と“映画の真骨頂” 『ナポレオン』の真価を紐解く

    2023年の映画業界で、とくに存在感を示したApple。シリーズ作品などにしか、なかなか膨大な製作費をかけられないような業界の状況が続くなかで、マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』、そしてリドリー・スコット監督の『ナポレオン』という、巨匠監督による重要な意味のある大作を送り出しているのである。そんな急激に存在感を増していくAppleスタジオによる『ナポレオン』は、ヨーロッパを戦乱の渦に巻き込み、軍人から「フランス皇帝」にのし上がったナポレオン・ボナパルトの人生を追った歴史大作だ。 ナポレオンといえば、長期熟成させたブランデーの呼称にも用いられるほどのカリスマ的支配者で、フランス軍を連戦連勝に導いた英雄的軍人だという見方が定着してきた。映画においては、アベル・ガンス監督によるサイレント期に撮られた大スケールのフランス映画『ナポレオン』(1927年)が、情感を込め

    リドリー・スコット監督による“革命”と“映画の真骨頂” 『ナポレオン』の真価を紐解く
  • 『ゴジラ-1.0』山崎貴の“本領発揮”はまだ先に 虚構vs現実を踏襲したことで生まれた齟齬

    山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』は、今、日で新作ゴジラを作り、打ち勝つことの困難さを思い知らされる。なにせ2023年は、ゴジラの新作が1カ月ばかりの間に5も公開され、日に次々と出現した年として記憶されるからだ。ゴジラが立ち向かわなければならない最強の敵は、ゴジラだ。 ※稿は『ゴジラ-1.0』のネタバレを含みます 日に同時出現したゴジラたち 先陣を切ったのが、庵野秀明総監督による『シン・ゴジラ:オルソ』。これは全編がモノクロに化粧直しされたバージョンで、第1作の『ゴジラ』(1954年)、続編の『ゴジラの逆襲』(1955年)に続く3目の白黒ゴジラ映画の誕生である。〈オルソ〉とは、オルソクロマチックという赤系の色を抑えた階調の白黒になるもので、肌などが陰影豊かになる一方で、青い光などは明るく表現される。『シン・ゴジラ』(2016年)は顔、顔、顔のアップが続き、一方でゴジラが吐くチェレン

    『ゴジラ-1.0』山崎貴の“本領発揮”はまだ先に 虚構vs現実を踏襲したことで生まれた齟齬
  • BAND-MAID、LOVEBITES、RAISE A SUILEN……ハードなロックサウンドで世界を狙うガールズバンドの活況

    BAND-MAID、LOVEBITES、RAISE A SUILEN……ハードなロックサウンドで世界を狙うガールズバンドの活況 7月6日に放送された『マツコの知らない世界』(TBS系)での特集「ガールズバンドの世界」が、さまざまな界隈で反響を呼んだことは記憶に新しい。番組では80年代から女性バンドの先駆者としてシーンを牽引し続けるSHOW-YAの寺田恵子(Vo)と、Mary’s BloodやNEMOPHILAといったガールズバンドで活躍するギタリストSAKIが、1970年代から現在に至るまで、音楽的にさまざまなジャンルへと拡散するシーンの変遷を解説していった。 ハードロック/ヘヴィメタル(以下、HR/HM)界隈から登場した2人が中心に進行することもあり、ところどころでHR/HMシーン視点で語られる場面も見受けられた。例えば、ガールズバンドの枠には含まれないものの、BABYMETALが果たし

    BAND-MAID、LOVEBITES、RAISE A SUILEN……ハードなロックサウンドで世界を狙うガールズバンドの活況
  • 『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』 種崎敦美はなぜ重用される?

    超能力を持った少女のアーニャ・フォージャーと、1000年を生きるエルフの魔法使いフリーレン、そして後宮で皇帝の妃として生きる玉葉姫と、まるで共通したところのないアニメのキャラクターを、たったひとりで演じている声優が種﨑敦美だ。そのキャリアを振り返ると、実に多彩な役どころを演じてきたことが分かる。どうしてこれほどまでに重用されるのか。ここからどれくらいの名優になっていくのか。これまでの演技や言葉から想像してみた。 アニメファンはいつ、種﨑敦美を意識したのか。12月20日にBlu-rayが発売となる『特別編 響け!ユーフォニアム~アンサンブルコンテスト~』にも登場していたオーボエ奏者の鎧塚みぞれが、主役となった映画『リズと青い鳥』での繊細な演技だった人がいるだろう。『残響のテロル』でいつもいじめられていた三島リサの、怯えて震えるような演技だった人もいるかもしれない。 そうした、ネガティブ感が漂

    『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』 種崎敦美はなぜ重用される?
  • 英日での舞台化で再注目 新海誠らしさが詰まった『言の葉の庭』の魅力を再発見

    文=タニグチリウイチ、写真=『言の葉の庭』©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films 『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(2019年)、『すずめの戸締まり』(2022年)と、興行収入が100億円を突破するアニメ映画を立て続けに送り出してきた新海誠監督。なぜこれほどまでの人気監督になったのかを探ると、10年前に公開された中編アニメ『言の葉の庭』(2013年)に行き当たる。今よりもずっと小規模で公開されながら熱烈なファンを生み、10年経っても衰えない人気を保っている。舞台にもなって夏にロンドンで上演され、11月には日公演も行われる『言の葉の庭』の魅力とは。 雨が降る日には高校にそのまま行きたくないと、新宿駅で降りて新宿御苑に入り、日庭園にある「あずまや」でのデザインを描いて時間を過ごす。そんな日々を送っていた高校生のタカオはある日、いつものあずまやに先客

    英日での舞台化で再注目 新海誠らしさが詰まった『言の葉の庭』の魅力を再発見
  • 『あの花』から『アリスとテレスのまぼろし工場』へ 唯一無二の作家となった岡田麿里

    稿には『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』『心が叫びたがってるんだ。』『さよならの朝に約束の花をかざろう』『空の青さを知る人よ』『泣きたい私はをかぶる』『アリスとテレスのまぼろし工場』『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(文藝春秋)のネタバレがあります。ご注意ください。 「商業原則と私的な物語の両立」の系譜 日のアニメの歴史の中には、お客さんが喜ぶような商業原則に沿った内容を提供しつつ、そこに私的な物語を紛れ込ませる作家の系譜がある。たとえば、宮﨑駿は、『紅の豚』に、自分自身とスタジオジブリのあり方を投影した。庵野秀明は、『新世紀エヴァンゲリオン』で美少女とロボットを用いたアニメの中に、私的な実存を投影した。 これは、かつてはロマンポルノや、Vシネなどで行われていたことと、よく似ている。たとえばロマンポルノでは、セックスシーンをある一定の時

    『あの花』から『アリスとテレスのまぼろし工場』へ 唯一無二の作家となった岡田麿里
  • 『葬送のフリーレン』なぜ金曜ロードショーで放送? その狙いを原作から読み解く

    マンガ大賞2021を受賞した山田鐘人原作、アベツカサ作画の漫画『葬送のフリーレン』(小学館)がTVアニメとなって動き出す。初回を9月29日の日テレビ系「金曜ロードショー」で2時間スペシャルとして放送する扱いも特別なら、その後も新たに設けられる午後11時からのアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT 」で放送という待遇も特別だ。それだけの価値を『葬送のフリーレン』という作品に認めている表れだろう。特に初回が2時間スペシャルになることは、原作の魅力や特徴を強く伝える効果を持つ。どういうことなのか? 「よくぞ魔王を打ち倒した。」。王のそんな言葉が告げるように、『葬送のフリーレン』という漫画は、冒険者仲間だった勇者のヒンメル、戦士のアイゼン、僧侶のハイター、そして魔法使いのフリーレンが邪悪な魔王を討ち果たしたところから幕を開ける。 普通のファンタジー小説ゲームだったら、エンディングに当た

    『葬送のフリーレン』なぜ金曜ロードショーで放送? その狙いを原作から読み解く