この連載では、現在のイスラエルには宗教や文化を基盤とした様々な集団(宗教派ユダヤ人、世俗派ユダヤ人、アラブ人キリスト教徒、アラブ人イスラム教徒、ベドウィン、ドゥルーズ教徒、父親や祖父母がユダヤ人でも母親がユダヤ人でないため非ユダヤ人と見なされる人々等)があること、そのような人々が相互に一定の距離を保ちつつも市民として共存していることを述べてきた。そしてイスラエルでは18歳から男女共に課される徴兵制(男性約3年、女性約2年)が、これらの異なるグループに属する人々をイスラエル国民として結び付ける役割をある意味で果たしている例も示して来た。 前回の「第六次ネタニヤフ政権発足──揺れるイスラエルのユダヤ人社会」では、過激な宗教右派と連立を組み、2022年末に発足した第六次ネタニヤフ内閣が進めようとしている司法改革と、その賛否を巡ってイスラエル国内のユダヤ人の間で対立が激しくなっている状況を紹介した
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