ここまでの一連のハイパーインフレーションモデルに関するエントリでは、基本的にローマーを参照し、貨幣需要関数としてケーガンの関数を用いてきた。一方、これらのエントリのきっかけとなった岩本康志氏のモデルでは、もっと簡単な という貨幣需要関数を用いている。今日はこの関数について少し考察してみたい。 上式を時間で微分すると という関係が導かれる。 一方、名目貨幣成長率gMと実質貨幣成長率の間には の関係があるので、これに上式を代入すると となる。これがπについての微分方程式であり、3/17エントリでケーガンの関数から導いたものより少し複雑な形になっている。 上式を変形すると となるが、gM一定を仮定して、不定積分の公式 を用いると が求まる(Bは定数)。この場合、πは有限時間[0, -(1/agM)ln(B) )で定義され、時間が経過するにつれ発散していく。 下図は、3/21エントリでシミュレート
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